2023年3月7日、作家・朝井リョウさんが朝日新聞で連載した長編小説『スター』の文庫版が発売された。
主人公は、新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した尚吾と紘。二人は大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。「どっちが先に有名監督になるか、勝負だな」。受賞歴、再生回数、完成度、受け手の反応。プロとアマチュアの境界線がなくなったいま、変わりゆく世界を測る「自分だけの物差し」はどこにあるのか――。
同じく作家生活10周年記念作品となった『正欲』とは異なる角度から、読者一人ひとりの価値観を揺さぶる。特に、入学、就職、転職と、今後新しい場所に漕ぎだす全ての人々にとって、身近で切実な言葉に満ちた傑作長編だ。
解説は、学生時代にプロとして役者の仕事をしながら、大学の授業でも映画製作の現場を経験したという女優の南沢奈央さん。「周りに流されずに自分の感性をもちつづけられているか確かめるためにも、時代がいくら変わっても、人生の指針として一生側においておきたい一冊である」と賛辞を送っている。
カバーデザインは単行本から一新され、川名潤さんによる装幀デザインとなった。小浪次郎さんによるカバー写真は、「スター」という言葉から想起されるイメージを多義的に読み取れるものになっている。
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