座っているのに天井が回っているように見えたり、体がふわふわしたり、たびたびめまいに悩まされる。そんな方は、天気をチェックしてみましょう。雨の前日や強風の日など、気圧の変化によってめまいが起きることが多いなら、それは「気象病」かもしれません。
気圧の変動が起こす痛みに着目し、気象予報士が考案した気圧予報に基づく体調管理アプリ「頭痛ーる」の開発チームが、「もっと不調を感じている人の役に立ちたい!」という思いから作った書籍『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)。前回は、本書から頭痛の対処法について紹介しました。今回は、「めまい」について見ていきます。
本書によると、めまいには大きく2つのタイプがあるといいます。
1.回転性めまい...天井や周りのものが回っているように感じる
2.浮動性めまい...自分がふらふら宙に浮いているように感じる
1の回転性めまいの原因として最も多いのは、内耳の異常。強い吐き気や耳鳴り・難聴を伴うこともあります。あるいは、内耳内を満たす液体の過剰な増加が原因で起きる「メニエール病」の可能性も。
また、姿勢を変えたり、上を向いたり下を向いたり頭を動かしたときによく起きるなら、内耳のある部分に収まっている耳石が一部剥がれ落ち、三半規管に入り込んでしまった場合に起きる「良性発作性頭位めまい症」かもしれません。
一方、2の浮動性めまいの原因は、自律神経の異常や睡眠障害、うつ、薬の副作用、脳の疾患などが考えられます。頻繁に繰り返していたり、長時間にわたって続いたり、意識障害や激しい頭痛、けいれんや手足のしびれなどの症状を伴う場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
いずれにしても、病気の可能性も考慮して、気になる場合は医療機関を受診するのがおすすめです。
さて、ここではめまいの予防策を2つ紹介します。
――以下、本文より引用――
〇耳のマッサージで血流を良くしてみましょう
鍼灸師の森田さん(※)は、「めまいには耳周りの血流を良くすると改善するものもあります」と話します。そのため、めまいを感じそうだな、というタイミングで耳マッサージをすることをおすすめしています。
感染症予防でマスクを長時間着用していると、耳周りの血流が悪くなり、めまいの原因となることも。普段から耳マッサージで、耳周りの血流を良くしておけば、気圧以外の原因によるめまい予防にもつながります。
<耳マッサージのやり方>
STEP1
耳の上の方を親指と人さし指でつかむ
そのままゆっくり大きく耳をまわす
STEP2
反対まわしも行う
〇寝る姿勢にもめまいをよくするヒントがあります
内耳のある部分に収まっている耳石が一部剝がれ落ち、三半規管に入りこんでしまった場合に起きる回転性めまいの「良性発作性頭位めまい症」を予防するには、同じ横向きの姿勢で寝ないこともポイントに。いつも同じ方向を下にして寝ていると、三半規管に剝がれた耳石がたまりやすくなるからです。
――以上、本文より引用――
目には見えないけれど、ズ~ンと体にのしかかってくるかのように感じる低気圧。頭痛やめまい、だるさなどのちょっとした不調は、「気のせいかな?」と思いがちですが、普段から天気をチェックしておくことで予防できることもあります。日記をつけたり、「頭痛ーる」などの専用アプリを活用したりして、気圧の変化による体調不良が起きるタイミングを把握しておくのもおすすめです。
本書では、「頭痛ーる」編集部が各分野の専門家に取材して、頭痛やめまい、だるさ、体の痛み、心の不調といった症状別に、食事・ストレッチ・睡眠・環境からアプローチして不調を改善するための対策を40以上も紹介しています。「なんかしんどい......」の正体を知り、上手に気圧と付き合っていきましょう。
次回は、気圧の変化による「だるさ」への対策を紹介します。
※取材・監修協力
■神崎晶さん
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医・指導医、めまい相談医、耳科手術暫定指導医(日本耳科学会)。独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 臨床研究センター 聴覚・平衡覚研究部 聴覚障害研究室所属。専門はとくに慢性中耳炎、耳硬化症、突発性難聴やめまいを含む耳科や神経耳科疾患など。
■森田遼介さん
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、TC鍼灸マッサージ院院長。埼玉県を中心に往診治療を行う。自律神経の調整を得意とし、根本治療に特化した施術で人気。 脳梗塞リハビリセンターでは鍼灸も活用したボティケアを提案している。NHK「あさイチ」などのメディアにも出演。
<著者プロフィール>
■頭痛ーる編集部
ずつーるへんしゅうぶ/「頭痛ーる」は「気象病」と呼ばれる、気圧の変動が起こす頭痛などの痛みに注目し、気象予報士が考案した気圧予報に基づく体調管理アプリ。2017 年度グッドデザイン賞を受賞。月間利用者数 100 万人以上。累計ダウンロード数は 1000 万を突破。「頭痛ーる編集部」では、低気圧頭痛・気象病を予防する方法・対策からお天気と暮らしのことなどを発信している。
頭痛ーる提供元:ベルシステム24
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