2月27日発売の「AERA(アエラ)2023年3月6日号」(朝日新聞出版)の巻頭特集は「全活断層を警戒せよ」。まもなく東日本大震災から12年を迎えるいま、改めて地震や防災について考えるための特集となっている。
トルコ・シリアで起きた「マグニチュード(M)7.8」の大地震では、多くのアパートやモスクが倒壊し、巻き込まれる人が続出した。2月22日時点で両国合わせた死者は5万人を超える。
この地震は、活断層(長期にわたり活動を繰り返し、将来も地震を起こす可能性のある断層)が割れ、動くことで起きた「内陸地震」だった。原因となったトルコ東部を斜めに走る「東アナトリア断層」は、比較的活発な活断層として知られていたという。
私たちの住む日本もまた、2千もの活断層がひしめく「地震の巣」として知られる。これまでにも1995年1月の阪神・淡路大震災、2016年4月の熊本地震など、甚大な被害をもたらす「内陸地震」が起きてきた。
日本活断層学会会長で名古屋大学教授(地理学)の鈴木康弘さんは、日本には「プレート境界に位置する関係で、列島全体で地殻変動が激しく、内陸部にも活断層が数多く存在し」ていて、その活断層がずれることによって地震が生じると指摘する。
「活断層の長さが長ければ地震のマグニチュードも大きくなります。その関係式がつくられていますが、それを見ると、世界標準に比べて日本の活断層は短くてもマグニチュードが大きめになる傾向も知られています。活断層がずれて地震が起きる時には、断層の近くで極めて強い揺れが起きることがあり、その揺れは通常の建築基準では不足することもあります」(鈴木さん)
今回のトルコ・シリア大地震も、その例かもしれないという。
では、その活断層はどこにあるのか。国の地震調査研究推進本部(地震本部)は、全国の活断層帯の長期評価について、M7級以上の地震を起こす可能性がある長20キロ以上の活断層帯を主要活断層帯と認定し、重点的に調査・評価。地震発生の危険度を「S」「A」「Z」「X」の4段階の「ランク」で分類し、例年1月に更新して警戒を呼び掛けている。
最も危険度が高いのが「Sランク」で、今後30年以内に地震が発生する確率3%以上の活断層を指す。実は、この「Sランク」の活断層が、人口が集中する都市部、神奈川と大阪にそれぞれ存在している。
一つ目は、神奈川県の三浦半島を横切るように平行して延びる「三浦半島断層群」だ。同断層群は北側の主部と南部とに分けられ、主部の「衣笠・北武断層帯」は少なくともM6・7程度かそれ以上の地震が発生すると推定されている。
一方、人口密集地の真下にあるのが「上町断層帯」だ。大阪市中心部を南北に横切る断層帯で、断層帯全体が一つの区間として活動した場合、M7.5程度の地震が発生するとされる。
特集では、それぞれの被害想定について詳しく伝えている。
今週号には、引退を発表した車椅子テニス界のレジェンド・国枝慎吾さんが単独インタビューで登場。パラリンピックで金メダルを3度とるなど輝かしいキャリアを刻んだのち、今回引退を決意したその瞬間の想いを語っている。
所属するユニクロの柳井正社長からかけられた言葉を聞いて、「充実感」を抱いたという。その言葉を、国枝さんは以下のように振り返っている。
柳井(正)社長に『車いすテニスという新しいスポーツジャンルを確立した。産業を作ったのと一緒』と言っていただき、2009年にプロ転向したときに思った以上に、くっきりと足跡を残せた充実感はあります(国枝さん)
記事では他にも、引退を決意した経緯や、これからを託すことができたという国枝さんの2人の後輩、小田凱人さんと上地結衣さんについての話が掲載されている。
連載「松下洸平 じゅうにんといろ」は、俳優の新納慎也さんをゲストに迎えた2回目。新納さんから「最近のテレビのインタビューなんかでも、めっちゃかわい子ぶってるやん」とツッコまれた松下さんは「これ以上しゃべってたら、いらんこと言われそう(笑)」と苦笑い。楽しいトークの中に深さが詰まった内容となっている。
今号では、以下の記事も掲載。
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