3月8日の国際女性デーを前に、「AERA(アエラ)」3月13日号(朝日新聞出版)では「女性の働き方」を多角的に深堀りしている。
仕事優先でがむしゃらに働いてきた均等法世代、子育ても仕事も背負い疲弊する氷河期世代、上の世代を見てきたミレニアル世代やZ世代と、一口に女性と言っても働き方はさまざま。「ロールモデルはもういない」と題した記事では、それぞれの世代にどんな違いがあり、同じ職場でどんなことを感じているのかを取材している。
「ミレニアル世代」と呼ばれるアラサーの女性は、40代以上の氷河期世代の女性たちの働き方を見て「ロールモデルがいない」と話す。
「男性育休の制度はあるのに、先輩たちを見ていると、結局女性が家事や子育ての多くを担っている。女性の自己犠牲の上に成り立っていると思ってしまいます」
「子どものいる女性の先輩が、必死に現状維持をしている姿に違和感があります。これが私の未来? ああはなれません」
とはいえ「上の世代のおかげで産休、育休などさまざまな制度が整ってきた」というポジティブな意見も。ジャーナリストの中野円佳さんは、「世代を超えて、互いの理解が進んでいると感じる」と指摘する。
一方で、女性どうしの分断を生むのは「年収の壁」だ。配偶者に扶養されている人の年収が一定額を超えると税金や社会保険料の支払い、配偶者控除の対象になるかどうかの境目を指し、女性の就労を阻害するとして問題になっている。アエラでは「年収の壁」による弊害を当事者に取材し、「働き損」を解消する方法を模索している。
そして今、超氷河期世代のアラフィフ女性が直面している問題が「更年期」だ。閉経前後の45~55歳は、仕事でも責任のある立場になり、家庭でも子どもの受験や親の介護などで懸案事項が増える時期と重なる。更年期症状による集中力や記憶力、判断力の低下やイライラは、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼす。NHKと「女性の健康とメノポーズ協会」などが共同で行った調査によると、「更年期離職」による損失は6300億円に上るという試算も。
問題の背景には「言い出しにくさ」があるという。「女性の健康とメノポーズ協会」の三羽良枝理事長は、「職場で相談する窓口もなく、相談する雰囲気すらないのが実情。もっとオープンに相談できる環境をつくって、職場の心理的安全性を高めることが喫緊の課題」と指摘する。
記事の見出しには、「トンネルはいつか終わる」とある。産休にしろ育休にしろ、制度が現実的に機能し始めるのはたいてい超氷河期世代が「トンネル」を通り抜けた後だ。もちろん、後の世代に自分たちと同じような苦労をしてほしくはない。とはいえ、なんだかなあ...とモヤモヤするのは記者だけではないだろう。
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