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そのだるさ、気圧のせいかも? 「気象病」防ぐには

月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた

 どんよりした天気の日は、なんだか体がだるい。一日中、何もできずにグッタリ......なんてことも。実はそれ、目に見えない気圧の変化に脳が混乱しているからかもしれません。

 気圧など気象の変化によって体調を崩す「気象病」。その不調をなんとか改善できないかと開発された「頭痛ーる」は、気象予報士による気圧予報に基づいて体調管理ができる便利なアプリです。

 BOOKウォッチでは、『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)から、頭痛めまいの対処法を紹介してきました。今回は、「だるさ」対策。気圧の変化によるだるさには、実は耳が関係していることを、ご存じでしたか?

「目に見えない」ことが不調を招く

 「頭痛ーる」でユーザーにアンケートをとったところ、「気象(気圧等)の変化による体調不良」で「頭痛」の次に多かったのが「だるさ」。「体が重たく言うことをきかない」「少し動いても疲れる」「全身に力が入らない」といった声が集まっています。

 その原因として注目されているのが、耳の中にある聴覚と平衡感覚をつかさどる「内耳」の機能です。本書によれば、2019年、内耳の前庭器官に、気圧の変化を感じ取る部位と機能もあることが、愛知医科大学の研究グループによって世界で初めて解明されたそうです。

 私たちは普段、平衡感覚をキープする内耳の機能と、目から入ってくる視覚的な情報(自分の姿勢や動き、揺れ、スピードなど)が脳で統合されることによって、状況に合わせた体の状態を自律神経の働きで保っています。ところが、目から情報が入ってこないと、内耳ばかりが刺激を受け続けて、脳はちょっとした混乱状態に。目に見えない気圧の変化を内耳だけがキャッチしてしまうことで自律神経に影響を及ぼし、「だるさ」につながることがあるのだそうです。自律神経についてもっと知りたい方は、本書を参照ください。

 だるさは「休んだほうがいい」というシグナル。症状が出た時は休憩をとることがおすすめです。ただし寝過ぎると余計にだるさを引き起こすので要注意。適度にからだを動かし、良質な睡眠をとるよう心がけましょう。

 また、水分の代謝を促すことでだるさが改善されることも。ここでは2つの対策を紹介します。

――以下、本文より引用――

〇だるさに効くツボで水分の代謝をアップ

 鍼灸師の森田さん(※)が教えてくれた、だるさに効くツボは「豊隆(ほうりゅう)」。膝のお皿の下と足首を結んだ線のちょうど真ん中ぐらい、やや外側で押すと痛気持ちいいところを探してみましょう。
 「豊隆」は水分の代謝を促すツボで、足の重だるさや疲れ、冷えなどを改善。この部分をカイロやお灸で温めるのも効果的だそうです。

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〇むくみをとる食材で、だるさをなくしましょう

 「体が重だるい感じは、水分代謝が悪く、体内に余計な『湿』がたまっている状態です」と指摘するのは漢方アドバイザーの久保さん(※)。
 「湿」を取り除くために、122ページの豆もやしと同様に久保さんがおすすめしている料理は、むくみを取り除くヒジキと、気の巡りを良くするシソを組み合わせた「梅シソヒジキのふりかけ」です。

<レシピ>梅シソヒジキのふりかけ
①ヒジキ(今回はお手軽な水煮缶を使用)をサッと炒めます。
②粗く刻んだシソとたたいた梅干しを入れ、さらに炒めます。
③しょうゆ、みりんを大さじ1ずつ入れ、煮詰めたら完成。お好みで白ごまを混ぜて。

――以上、本文より引用――

 頭痛やめまい、だるさなどは、他人には分かりにくいもの。「怠けているのでは」という誤解を招かないためにも、気圧の変化で具合が悪くなることを周囲に伝えておくのも一つの方法です。

 本書では、「頭痛ーる」編集部が各分野の専門家に取材して、頭痛やめまい、だるさ、体の痛み、心の不調といった症状別に、食事・ストレッチ・睡眠・環境からアプローチして不調を改善するための対策を40以上も紹介しています。

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 気圧や気温の変化に加えて、環境が変わって体調を崩しやすい春。自分のからだの「クセ」を知り、できることから対策をしましょう。

※取材・監修協力

■舟久保恵美さん
気象病研究者、医学博士。慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師。内田洋行健康保険組合保健師。日本で唯一、低気圧頭痛を専門にする産業保健師。

■久保奈穂実さん
漢方アドバイザー、国際中医薬膳管理師。芸能・音楽活動中、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。成城漢方たまりにて漢方相談・薬膳講師を担う。

■森田遼介さん
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、TC鍼灸マッサージ院院長。埼玉県を中心に往診治療を行う。自律神経の調整を得意とし、根本治療に特化した施術で人気。 脳梗塞リハビリセンターでは鍼灸も活用したボティケアを提案している。NHK「あさイチ」などのメディアにも出演。

<著者プロフィール>

■頭痛ーる編集部
ずつーるへんしゅうぶ/「頭痛ーる」は「気象病」と呼ばれる、気圧の変動が起こす頭痛などの痛みに注目し、気象予報士が考案した気圧予報に基づく体調管理アプリ。2017 年度グッドデザイン賞を受賞。月間利用者数 100 万人以上。累計ダウンロード数は 1000 万を突破。「頭痛ーる編集部」では、低気圧頭痛・気象病を予防する方法・対策からお天気と暮らしのことなどを発信している。
頭痛ーる提供元:ベルシステム24


※画像・デザイン:装幀新井


  • 書名 月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた
  • 監修・編集・著者名頭痛ーる編集部 著
  • 出版社名新潮社
  • 出版年月日2023年2月16日
  • 定価1,540円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・176ページ
  • ISBN9784103548911

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