2023年がスタートした。年が変わると心も改まる。現状維持か、それとも新たなステップを踏み出すか、これから春に向けて何かと決断を迫られる機会も増えるだろう。そこで今回は、BOOKウォッチ編集部の5人が「決断する時」をテーマに選んだ本を紹介する。
まずは、なにごとも熟慮して答えを出すので、周囲の信頼も厚いM。迷った時に背中を押してくれるという2冊がこちら。
『この年齢(とし)だった!』
「レディー・ガガ 11歳」「ダイアナ元イギリス皇太子妃 35歳」「オノ・ヨーコ 47歳」「向田邦子 51歳」......。古今東西の有名女性27人の転機となった年齢にスポットを当て、その人生を読み解くエッセイ集。2012年刊行、2015年文庫化。
もう30代になってしまったけど、自分はずっとこのままなのだろうか......そんな思いで過ごしていた頃に読んだ。あの人はこの年齢でこんなことが! 30代でもう手遅れなんてことはなくて、転機はこれから来るかもしれない。迷ったらやればいいんだ! と思わせてくれる1冊。
『限りある時間の使い方』
全米ベストセラー。日本では2022年6月に刊行され、28万部を突破(12月現在)。「人生は『4000週間』 限られた時間をどう使うか!?」のコピーが刺さり、気になっている。
80歳まで生きるとしたら、人生は「4000週間」ほど。「ものすごく短くて、きらきらと光る可能性に満ちた、4000週間」と著者は表現している(試し読みより)。
自分がある程度の年齢になって、時間は続いていくものではなく減っていくものなんだと、若干の焦りを感じ始めている。どうしよう...でも...などと悩んでいる暇はない! と活を入れてくれそうな1冊。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→「あなたの人生は、たった4000週間」。ひろゆき&全米が絶賛した『限りある時間の使い方』
続いて営業担当のO。「決断に時間をかけるほうではないが、決めた後に本当に良かったんだろうか...?と、自分に対し疑心暗鬼になるタイプ」と言う彼が選んだのがこの3冊だ。
『心配事の9割は起こらない 減らす、手放す、忘れる「禅の教え」』
20代後半に読んだ本。それまでは何かを決断するとき、どうしてもネガティブなことばかり考えてしまう性格だったが、この本を読んでから、悩んでいる時間がもったいないと感じるようになり、少しポジティブになれた気がする。同じ著者の「傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考」もおススメ。
ブチ抜く力
「秒速で1億を稼ぐ男」「ネオヒルズ族」と呼ばれ、その後の転落~復活も含めて、ドラマチックな人生を歩んでいる与沢翼さんだが、その考え方に、論理と直感を使い分けるテクニックを感じる。与沢さんと同じ人生を歩みたいかと言われると......ですが、こういうマインドは仕事でもプライベートでも真似したいです!
『JIN-仁-』(全13巻)
大沢たかおさん主演でドラマ化・映画化もされた人気作品で、幕末にタイムスリップした医師が多くの決断に迫られながらも、医師として人命を救うSFストーリー。決断までの苦悩・葛藤が良い意味ですごく人間臭く、読んでいてもどかしさを感じながらも、その決断にスカッとする感じがクセになる。決断には思い切りが必要なんだと再認識させてくれる作品です。
次は、合理的で決断を迫られた時も「少し考えて早めに決める」と言う若手記者H。文学に育てられてきた彼女らしい選書がこちら。
『きみの行く道』
人生の選択や決断といえば、まず真っ先に思い浮かびました。子どもがこれから生きていくうえで、何を信じてどう進めばよいかを語りかける絵本。大事なのは「右足を出すつもりで左足を出してはいけない」ということだと教わりました。
『デミアン』
とはいえ、本をきっかけに何か選択や決断をしたことはパッと思い浮かぶ限りない......ので、具体的なできごとというよりは、生き方全体の選択に関わった本を選びました。私の人生の姿勢を決めた本はこれかな、と。きっと誰しも自分を作った本の1冊や2冊はありますよね。
優柔不断な割に一度決めたら悩んでいたことなどアッサリ忘れ、結果オーライで生きてきた記者が選んだのはこの2冊。
『わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!』
1959年から90年まで31年間続いた長寿番組「兼高かおる世界の旅」のレポーター、ナレーター、プロデューサー兼ディレクターを務めた兼高かおるさんのエッセイ。文化や価値観の異なる国で番組を制作する中で、柔軟な発想や即断即決の行動力、ユニークな感性を磨いてきた兼高さんが旅で見つけた人生訓が綴られている。
転職活動中にA社かB社かで迷っていた時、ふと子どものころテレビで観た兼高さんに憧れ、進路に影響を受けたことを思い出した。経験を積んで目指す姿は変わっても、その人にとっての出発点に帰ることが、決断の助けになることもあるのでは。
『ミッドナイト・ライブラリー』
「決断のすべてが災いを呼んだ」と後悔にまみれ、自殺しようとした35歳の主人公が、不思議な図書館に迷い込む。そこには彼女が「選ばなかった人生」の数々が――。各国でベストセラーとなった小説で、BTSのメンバーも読んだことで話題になった。
「生きているかぎり私たちは、いつどんな場面でも、驚くほど様々な"未来の可能性"を秘めているものだから」という言葉が印象に残っている。
人生は決断の繰り返し。どちらの道を選んでも、その後の行動によって良いほうへも悪い方へも転がっていく。失敗したらまた新しい選択をすればいい。決断するのが怖くなくなる、希望に満ちた物語。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→BTSも愛読する世界的ベストセラー。「もしもあの時......」と後悔している人へ。
試し読みはこちら
最後は、今回のお題を出したベテランS。メンバーの中でもっとも「えらい人」の立場を経験し、大きな責任を伴う決断をしてきたであろう彼が選んだのはこの2冊だ。
『我慢して生きるほど人生は長くない』
決断で迷うのは、周りのことに気を遣い、振り回されて、自分の価値観や考え方に基づいた判断ができないから、という根拠に基づき、そこから解放されるものの見方を示している。
「我慢」から「決断」へと至る思考回路を整理していて、決断のその後の結果についてあれこれ悩むことからも自由になれる。著者は心療内科医。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→一流大卒のお嬢様も陥る「DWD病」。自己肯定感を持てない本当の理由とは?
『時間は存在しない』
ホーキング以来とされる天才物理学者の時間に関する物理の本。
決断とは全く関係のない本と思われるかもしれないが、読んでいるうちに、「現在」というものがあるという「錯覚」は、「過去」「未来」という観念につながり、それに縛られて決断できないこともあると気づいた。現在はないという考え方、「世界は物ではなく、出来事でできている」という章など、逆説的な意味で、自分の「決断」の重みを軽くし、決断に踏み切れた本。著者はイタリア人。
さて、2023年にはどんな決断があなたを待っているだろうか。時には本からヒントをもらい、自分を信じて一歩でも、いや、半歩でもいい。前進していきたい。
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