あなたにとって「感じがいい人」とは、どんな人だろうか?
身近な人や取引先、あるいは著名人を思い浮かべる人もいるかもしれない。
話し方に始まり、マナーや習慣、ファッション、髪型、声に文字。書店にはありとあらゆる「感じがいい人になるための本」が並んでいて、関心の高さがうかがえる。そこで今回は、「感じがいい」とはどういうことか、そうなるためにどうするか、をテーマに編集部のメンバー6人が選書をした。さまざまな視点から、「感じがいい人」になる方法を探る。
まずは編集者や記者よりは「感じのよさ」が求められる職種であろう、営業担当の2人から。押し出しがよくナゾの貫録がある新メンバーであるOは、次の3冊を挙げた。
『できる大人のモノの言い方大全』
社会人2~3年目の時に、先輩が「これはサクサク読めるし、使える」と貸してくれた本。自分の言葉を直すのってすごく難しいけど、言葉遣いというか、「言葉選び」が上手な人ってスマートだなと思います。
『アン ミカ流 ポジティブ脳の作り方 365日毎日幸せに過ごすために』
数年前、妻の本棚にあるのを発見し、何気なく読んでみた。30代男の自分にも、ビジネスやプライベートに役立つ考え方があり、なぜアン ミカさんがあんなに感じがいい人なのか、少しわかった気がする。さぁ、皆さんもご一緒に「ハッピー、ラッキー、ラブ、スマイル、ピース、ドリーム!」
『いいひと。』
「感じがいい人」と聞いて、自分の中で真っ先に思い浮かんだのがこのマンガ。「自分の周りの人の幸せが自分の幸せ」と本気で言える人って絶対周りから愛されるだろうなぁ。本当に見習いたい。草なぎ剛さんの主演ドラマ(1997年放送)も懐かしい...。
同じく営業担当で、気が優しく先輩にかわいがられるタイプのKが選んだのはこちらの2冊だ。
『人は聞き方が9割』
人はみんな自分の話を聞いてほしくて、聞いてもらうことで安心する。だから「聞き上手」は貴重な存在になれると思う。とても読みやすく、書かれていることは基本的なことも多いけれど、実践に落とし込むことはなかなか難しそう。同じ著者が『人は話し方が9割』という本を出しているが、お薦めはこちら。
『さりげなく「感じのいい」人』
頭では大事だとわかっていても、おろそかにしがちなことってたくさんあって、この本は、そうした「ちょっとした気配り」こそ大切だと気づかせてくれる。著者の経験則は少しわかりづらいところもあるが、すぐにでも実践できる具体的なアドバイスが参考になる。人としての「やわらかさ」を身につけたいものです...。
続いては、いわゆるZ世代の新人記者H。物怖じしないように見えて実は不器用?と思わせる彼女が「人並みのコミュニケーションをつけようと」学んだという本がこちら。
『プロが教えるはじめてのNLP超入門』
学生時代に読んだ本。NLPはビジネス心理学とも呼ばれ、コミュニケーションスキルや、自分の内面を整理して問題解決するスキルなどが学べる、実践的な心理学。特に「ラポール」という信頼関係を形成するためのテクニックは、それまでコミュニケーションが苦手だった私の、他人との接し方の基礎になった。少しでも「話しやすい人」だと思われるための技術は学べると思います。(12月12日に同じ著者の『成功心理学 プロが教えるNLP入門』が発売予定)
『7秒で好かれる人になるコツと、小さな習慣』
たった7秒の工夫という手軽さと、接客術という初対面の人向けのコミュニケーションスキルをもとに、家族や友人など身近な相手に好印象を与えるというテーマが印象に残っている。こうしたノウハウは初対面の人やビジネスの相手に使うことが多いけれど、確かに、まずは身近な人に「感じがいい」と思われたいですよね。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→好感度は7秒で決まる。人間関係がうまくいくヒントは「接客術」
普段はおっとりしているのに、書評を書かせると深い洞察力をうかがわせる記者Mは、「感じのいい人→めざす女性像→こんな40代いいなと思う作家、ということで選びました」と次の2冊を紹介。
『これでもいいのだ』
30代後半になって「中年」「オバさん」のワードが頭にちらつき始めたころ、書店で見かけてこれは絶対面白いと直感して購入。「加齢のおかげ」で「楽園住まいを始められた」というジェーン・スーさんが、「中年女たちよ、人生の舵をとれ」「私たち、これでもいいのだ!」と読者にエールを送る。期待を裏切らない抜群の面白さで、元気をもらえるエッセイ66篇。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→アラフォー女子、これでもいいのだ!
『おんなのじかん』
〇歳までに子どもを産んでおかないと......〇歳をすぎてそのファッションは......などの女を縛りつける数々の呪い。「女性の身体にまつわるタブーよ、くたばれ!!!」という勢いで、不妊治療も流産も体型批判への反発も、本音炸裂で綴ったエッセイ30篇。吉川トリコさんとテーブルを囲んで気ままにおしゃべりするような、ディープな「おんなのじかん」を楽しめる。
ジェーン・スーさんも吉川トリコさんも、「この人なら」という安心感があります。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→「女性の身体にまつわるタブーよ、くたばれ!!!」共感、痛快、発見の連続な名エッセイ。
もはや「感じがいい人」という域を超越しているかのように(感じが悪いワケではない)、常に平静なベテラン記者Sが推すのは、2018年に亡くなった樹木希林さんの本だ。
『一切なりゆき 樹木希林のことば』
波瀾万丈の人生を送ってきた樹木希林さん。人生で起きた出来事にはすべて理由があって、なりゆきに任せて生きていくという独特の諦観を、難しいことばを使わず、やさしく淡々と綴っている。この本を読んだ時、こういう人に隣にいてほしい、自分もそうなりたいと思った。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→樹木希林さんは何足の靴を持っていたと思う?
最後に、「感じがいい人」になれる本を何冊も紹介していながら、いまだ修練が足りない記者が選んだのがこちら。
『日々臆測』
私にとって「感じがいい人」とは想像力とユーモアのセンスがある人。「臆測は緩衝材のようなもの」と言うヨシタケさん。みんないろいろ事情があるよね、嫌なヤツになっちゃう時だってあるよね、とままならなさに共感し、相容れない考え方も「実はこういう理由があるのでは」と斜め上の発想で笑いに変えてしまう。相手の気持ちや事情を慮る想像力と、ひと呼吸おいて愉快な方へ持っていこうとする心持ちが素敵だと思う。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→今度も面白い! ヨシタケシンスケの頭の中は「憶測」でいっぱい
『だから、あの人は嫌われる――対人関係がうまくいかない人の解決策』
逆説的に。身近にいる「感じがいいな」と思う人は、確かにこの本に書かれている「3つの言動」(偉そう、いい加減、他力本願)をしない。言い換えれば誠実さ、謙虚さ、素直さを持ち合わせている、ということかなと。期間限定で「感じがいい人」になるのはさほど難しくないが、どんな相手に対しても、どんなシチュエーションでも、感じよくあり続けるのは難しい。日常生活でまずは「嫌われないこと」を心がけたい。
BOOKウォッチの紹介記事はこちら→うっかり「嫌われる人」に共通する3つの特徴。あなたは大丈夫?
今回の選書では、年代や性別の違いは見られなかったが、性格や個性が表れていて面白い。
さまざま意見はあるものの、「感じがいい人」になるための本を手に取った時点で、自分を客観視しようと行動に移している証だ。一方で、「人にどう思われようと結構」という生き方を貫くのもまた、人によっては好印象に映ることも。
さて、あなたにとっての「感じがいい人」とは、どんな人?
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