「なぜか娘から距離を置かれている」
「何を言っても反発され、どうしたらいいかわからない」
「娘のためによかれと思ってやっているのに......」
大人になった娘との関係にお悩みではないだろうか。最近よく聞く「毒親」って、もしかして私のこと? そんな不安にかられたあなたのための本がある。『娘が理解できません 大人になった娘のために、母親は何ができるか』(発行:小学館クリエイティブ、発売:小学館)だ。
著者は、アドラー心理学に詳しい講師・カウンセラーの岩井俊憲さん。毒親問題に多い「母娘」の関係性にフィーチャーし、現状を改善するにはどうすればいいのかを教えてくれる。
本書の特徴は、母娘関係の原因を過去の子育てに求めず、現在何ができるかを考えていく点だ。岩井さんは、「『毒親』という言葉に縛られていませんか?」と指摘する。
人は一度、
「わたしは毒親かもしれない」
「わたしはアダルトチルドレンに違いない」
と思うと、次第にそのネーミングで言われているとおりの振る舞いをして生きていくようになってしまうものなのです。
(本文より)
岩井さんは、過去の顧客で7年間アダルトチルドレンの学習会に通っているという人を例に挙げ、本来いつか卒業するべき学習会で、「自分はアダルトチルドレンだ」という意識が強化されてしまっているのだと分析する。
毒親という名前にも同じ危険性がある。「私は毒親だ」と思うと、ちょっとした失敗にも「私はダメだ......」と思い込み、娘との関係が余計にこじれてしまうかもしれない。こうなると、現状を変えることが難しくなる。
岩井さんは、このような負の連鎖を作り出す名前をつけるのはやめようとアドバイスしている。
もしかしたら、いままでは本当に、子どもへ誤った関わり方をしてきてしまったかもしれません。
でも、いまからできることを見つけ、これまでと違った関わり方をすることは、誰にでもできるものです。
(本文より)
「私、毒親かも?」と思っている方は、毒親という名前を頭から追い出して、「いまからできること」にぜひ目を向けてみてほしい、と岩井さんは言う。
本書では、母娘に距離ができる理由と、母娘関係のこじれが成長した娘の家庭や仕事にどんな影響を及ぼすか、そしてこじれを解決する方法を解説している。「昔話をして記憶のズレを解消する」「依存から抜け出す呪文を使う」など、いまからすぐに実践できる内容が豊富だ。
さらに5章では、こんなQ&Aが取り上げられている。あなたの悩みを解決してくれる回答もあるかも。
Q:つい子どもに対して「あんなに○○してあげたのに」と感じてしまいます...
A:親が思っているほどには、子どもの記憶には残らないものです
Q:娘と距離が生まれて寂しく思っています。娘のしあわせをただただ願っているということを、どう伝えればいいでしょうか?
A:心のなかでしあわせを祈っていれば、無理に伝える必要はないでしょう
Q:最近、大切なことがあっても、娘から報告してもらえていない気がします。それがとても不安でもあり、腹立たしくもあります...
A:「便りのないのがよい知らせ」と考えましょう
年末年始は子どもが帰省する家庭も多いのでは。これを機に、母娘のもやもやに向き合ってみてはいかがだろう。
【主な目次】
はじめに
1章 母と娘に距離ができてしまうのはなぜ?
2章 「不幸」な思いグセを持っていませんか?
3章 こじれた母娘の心理
4章 嫌な親のもとで育った子どもはどうなるの?
5章 母と娘のQ&A
おわりに
■岩井俊憲さんプロフィール
いわい・としのり/有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役。
1947年生まれ。早稲田大学卒業。1985年に有限会社ヒューマン・ギルドを設立。カウンセリング、カウンセラー養成や公開講座を行うほか、企業や自治体、教育機関向けの研修や講演を行っている。著書に『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』シリーズ(日本能率協会マネジメントセンター)、『人生が大きく変わる アドラー心理学入門』(かんき出版)など多数。
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