加熱する中学受験に翻弄される母親たち。
子どもの中学受験の土俵は、教育ママのマウンティング戦場でもあって――!?
KADOKAWAから発売された『私、母親失格なの!? 中学受験マウント沼にハマりました』(原案:ぽんちゃん、漫画:ちゃんこ)は、我が子に中学受験させるかどうかで迷っている主婦が、周囲の教育ママたちのマウント合戦に巻き込まれていくお受験人間ドラマだ。
かつてはクラスで数人が挑むものだった中学受験。それがここ数年で、受験者は劇的に爆増している。「中高一貫だと6年間は安泰だから」「大学進学への準備がしっかりできるから」などの理由から受験者数は年々増加し、地域によっては8割の生徒が中学受験する公立小学校もあるという。
息子・正人を育てる主婦・美里にとっても、中学受験は気になる話題だった。とはいえ、正人はまだ小学校低学年。我が家にはまだ関係のないことだと思っていた。
しかし、美里の認識は甘かった。正人が小学3年生になったころ、周りの空気が変わりはじめたのだ。たとえば、ママ友たちとの会話。
「今度の日曜日、みんなでバーベキューしない?」
「その日はそろばんが...」
「うちも塾に行きはじめちゃって...」
だんだんと、周囲で習い事や塾の話題が増えていく。「この間中学の説明会行ってきたんだけど」「塾の資料取り寄せたよ」「今からはじめるとちがいますよ~!」。なんと小学3年生にして、早くも 【中学受験】という言葉が飛び交うように。
さすがに中学受験が気になりだした美里は、それとなく夫に相談する。しかし、夫は「俺の子どものころなんて...中学受験する子なんてクラスに1人か2人だったぞ!?」とか「よそはよそ、うちはうち」と言うだけで、真面目に取り合ってくれない。
小学4年生になると、ママ友たちがこぞって子どもの勉強に熱をいれ、受験の情報収集に奔走しはじめた。そして春休みを前に、いよいよ周囲の家庭は習い事をセーブしはじめ、塾だけでなく家庭教師も並行する家庭も増え、塾に行っていないのは正人と数名だけになってしまった。
そんな環境に焦った美里は、正人に「中学校どうするの?」「塾だけは入ってみない?」と声をかけるが、「もう少し後で考えてみるよ!」と返されるばかり。勉強して損はないし、塾くらいは入れるべきか......。でも、これって親のエゴで、子どもの意思を無視しているのかもしれない。でも、正人のために選択肢を残せるようにしてあげたいし......。
正人の教育に悩む美里には、もう1つ気になっていることがあった。それは、美里の周囲でも群を抜いて早い段階から「お受験ママ」と化していた、自慢大好きママ・潤子の存在だ。
潤子は育児に相当の自信を持っており、ママ友たちにはいつも、"助言"という名の自慢を繰り広げている。
「子どもの将来をもっと真剣に考えたら!?」などと説教してくる潤子の高圧的な態度に、美里は辟易していた。一方で、息子のために苦労を惜しむことなく熱心に、誰よりも早く行動する姿を尊敬していた。
ところが、受験戦争が進むにつれて潤子は次第に暴走していく。
ある日、美里が正人の教育方針に迷っていることをママ友たちに相談すると、潤子は生き生きと上から目線でアドバイスしてきた。「子どもの意思を尊重」とか言う無責任な親は、子どもの言いなりになっているだけ。そんな言い訳を言うくらいならもっと受験に対しての興味を引き出すとかすればいいのに......と、一理あるだけに耳が痛い言葉をぶつけられる美里。そこまではまだよかったが、潤子のマウントは加速し、度を越した領域に突入する。
「とにかく入会くらいしたらどうなの? もしかして...生活苦しいの?」
「経済的余裕がないなら親が教えればいいじゃない」
「旦那さんはどちらの大学出身なの?」
「いい大学出なら人づてで家庭教師探すとかできると思うんだけど...美里さんちの学歴じゃ難しいのかしら?」
なんでここまで言われなきゃいけないの...家計のこととか大学とか、貴女に関係ないじゃん!
息子との行き違い、夫の無理解、マウントしてくる教育ママ。周囲に振り回される美里は、子どもの中学受験という一大イベントを無事に乗り越えられるのか? そして、高飛車ママに天罰は下るのか!? 明暗が分かれる、ママ友たちの残酷お受験ドラマがはじまる――。
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