在宅勤務などで家にいる時間が長いと、つい常備しているお菓子を食べちゃう......そんな人は、もしかしたら「糖質」に依存してしまっている状態かも?
2022年10月14日に発売された『死ぬまで若々しく元気に生きるための賢い食べ方 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』(あさ出版)は、スイーツや白米、パンなどに含まれる糖質への依存から抜け出すための考え方を、わかりやすく解説した1冊。
医学博士・内科医・神経内科専門医・抗加齢医学専門医である山下あきこさんが、糖質に依存する脳の仕組みを明らかにし、依存から自由になるための方法を4ステップに分け、順を追って説明している。
健康のためには糖質制限が必要というのはよく聞くけれど、どうしてもお菓子に手が伸びてしまう......そんな「あるある」も、脳の仕組みから理解することで防げるのではないだろうか。
今回は、本書のチャプター4から、「糖質へのとらわれから自由になるための方法」として日々の習慣の中に取り入れやすいものを2つ紹介する。
1つ目のアイデアは、「出汁オイルスープ」だ。昆布や鰹節などからとった出汁に含まれる成分・ペプチドは、アミノ酸が連なっている状態。タンパク質をそのまま摂るよりサイズが小さいため、吸収しやすいとのこと。
「良質なオイルをたっぷり摂取することで、ケトン体が作られて脳のエネルギーになります。前頭葉の栄養が欠乏すると、自己コントロールが効かなくなって、うっかり食べてしまうかもしれません。(中略)温かいスープと出汁に含まれるペプチドで、緊張を和らげ、リラックス効果もあります」
作り方はとてもシンプル。出汁150ミリリットル、ココナッツオイル(またはギー)15グラム、天然塩適量を鍋に入れて温めるだけだ。出汁は昆布や鰹節などでとってもいいし、粉末タイプをお湯に溶かしたものでも構わない。
出汁を事前にとっておけば忙しい朝でもパッと用意できるので、寒くなるこれからの季節にぜひ試してみてほしい。
次に押さえておきたいのが、「脱糖ジャーナリング」。スイーツやパン、麺類など、糖質が多く含まれる食品を無性に食べたくなってしまうときに気持ちの整理をするための方法だ。
「ジャーナリング」は、感情や思考を紙に書き出すことで心の中のモヤモヤやイライラを明確にする効果があるという。脱糖ジャーナリングでは、食べたいという気持ちが起こったら、そのときの考えを思い出して書き出す。
たとえば、こんな気持ちが浮かんできたとしよう。
A「今日は頑張ったから、ごほうびに何か買って帰ろう」
B「私ばっかり仕事を頼まれてイライラする! 甘いもので気持ちを落ち着かせよう」
スイーツに手が伸びるとき、つい考えがちなこれらの「思考のクセ」を見つめて他の考え方ができないか試してみる。こんなふうに。
A'「スイーツじゃないものでごほうびを考えてみよう」
B'「スイーツでイライラが消えるわけではないから、食べても解決にはならない」
こんなふうに思考を整理することで物の見方が変わり、無理に我慢しすぎることなく糖質を控えられるようになるという。
甘いものを食べるのがすっかり習慣になっているという人や、食事を白米・パン・麺類などの主食のみで済ませがちという人にこそ、ぜひ手に取ってみてほしい1冊だ。
本書の目次は、以下の通り。
CHAPTER1 糖質は人を変えてしまう
CHAPTER2 糖質依存はこうして作られる
CHAPTER3 糖質依存を手放したら得られるメリット
CHAPTER4 糖質に依存しない脳の作り方
CHAPTER5 21日間の脱おやつチャレンジ
■山下あきこさんプロフィール
やました・あきこ/医学博士、内科医、神経内科専門医、抗加齢医学専門医。1974年佐賀県生まれ。 1999 年川崎医科大学卒業、 2001 年~福岡大学病院脳神経内科勤務、 2005 年~フロリダ州メイヨークリニックジャクソンビル神経内科留学、 2007 年~佐賀県如水会今村病院神経内科医長などを経て、病気を治すより、人々が健康づくりを楽しむ社会を目指し、2016年に株式会社マインドフルヘルスを設立。アンチエイジング医学、脳科学、マインドフルネス、コーチングを取り入れたセミナー、企業研修、個人健康コンサルティング等を行なっている。
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