ただ体に良いだけでなく、「簡単・おいしい・栄養満点」の三拍子がそろったレシピがあったら。そんな理想を叶えるレシピ本が新たに登場した。
2022年9月10日に発売した『慈恵大学病院の食べる「免疫力」』(世界文化社)は、東京慈恵会医科大学附属病院・栄養部の濱裕宣さんと赤石定典さんによる監修で、免疫力アップのための栄養学を押さえつつ「腸活に効果絶大」という食材別のオリジナルメニュー80品を収録したレシピ本だ。
食べ物を最終的に栄養として取り込む腸には、免疫細胞の約70%が集まっているという。つまり、免疫力をアップするには、まずは腸内環境を整えることが大切だ。
そこで本書では、日本のスーパーフードとも言われる「もち麦」と「みそ汁」をベースにした食事を推奨している。もち麦は「β-グルカン」という水溶性食物繊維を豊富に含んでいて、お通じをよくし、腸内をきれいにしてくれる穀物だ。
さらにみそ汁は、発酵食品である「みそ」はもちろん、野菜やきのこ、海藻などの具材を加えることで腸活を促す。もち麦に合うこともあり、まさに日本人にとって最強の組み合わせと言っていい。
今回は、そのもち麦+みそ汁を活かしたレシピ2品を紹介する。いずれも、身近な食材で食物繊維を豊富に摂れるメニューなので、ぜひ今日の献立の参考にしてほしい。
1. いろいろきのこの炊き込みご飯
材料(作りやすい分量・4人分)
米...2合
もち麦...100g
だし...480ml
a:うす口醤油...大さじ3、塩...小さじ 1/2、みりん、酒...各大さじ1
しいたけ...2 枚、えのき茸...50g、しめじ...50g、なめこ...50g、油揚げ...1/3枚
三つ葉...少々
作り方
1. 炊飯器にといだ米ともち麦を入れ、だしを入れ 60 分くらいおいた後、a を入れてひと混ぜする。
2. きのこ類は石づきを取り、しいたけは薄切りに、えのき茸は長さを半分に切って手でほぐす。しめじは小房に分ける。なめこはぬめりをさっと洗う。油揚げは短冊切りにする。
3. 2の具材を1に加え、通常通り炊飯する。
4. 炊き上がったらひと混ぜして、茶碗によそい、きざんだ三つ葉をのせる。
「いろいろきのこの炊き込みご飯」は、秋に食べたくなる、きのこの香り豊かな逸品。もち麦はもちろん、きのこにもβ-グルカンが豊富に含まれているので、腸内環境を整え免疫機能を高めるのにぴったりの1品だ。
2. クリームシチュー
材料(2~3人分)
鶏もも肉...200g、小麦粉...大さじ2、玉ねぎ...小1/2個(80g)、にんじん...1/2本(75g)、じゃがいも...小1個(100g)、バター...20g、コーン(ホール・缶)...30g、水...300ml
豆乳(成分無調整)...100ml、顆粒コンソメ...小さじ1、白味噌...小さじ5(30g)、塩・胡椒...各適量
ブロッコリー(小房)...4個
作り方
1. 鶏肉はぶつ切りにして塩・胡椒各少々を振り、小麦粉大さじ1をまぶす。
2. 玉ねぎはくし形に、にんじんは輪切り、じゃがいもは4等分に切る。
3. 深型のフライパンにバターを入れ、1の鶏肉を焼く。そこに2の野菜を玉ねぎ、にんじん、じゃがいもの順に入れて炒め、残りの小麦粉を振り入れる。
4. 水を加え、沸騰したらアクを取り、顆粒コンソメとコーンを入れ、弱火で煮込む。
5. 野菜が柔らかく煮えたら豆乳を入れ、煮汁を少しとり、味噌を溶き入れ、塩小さじ1/2、胡椒少々で味を調える。
6. 別にゆでておいたブロッコリーを加え、温めてから器に盛る。
本書に掲載されているクリームシチューは、白みそを使っているのが特徴だ。味にコクが出るだけでなく、白みそに含まれるGABAにはリラックス効果もあり、活性化酸素の発生を抑えるとのこと。シチューの具として定番の玉ねぎ、にんじん、じゃがいもにもそれぞれ抗酸化作用のある成分が含まれる。
さらに、豆乳のオリゴ糖が善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果も期待できるのだ。これからの季節、免疫力を高めるのにうってつけのレシピである。
今回紹介した2品のほか、本書では食物繊維や発酵食をメインに使ったレシピが計80品も収録されている。みそ汁に主菜、副菜まで幅広くカバーしているので、1冊あれば「免疫力」を上げるのに必要なメニューを日常の食卓に無理なく取り入れられるだろう。
冒頭では、栄養学の専門家である濱さんと赤石さんが、「免疫力とは何か」から始まり、腸内環境を整えるためのポイントや毎日の食事で免疫力を強化する方法などについても詳しく&やさしく解説している。からだにいい食材の知識を蓄えながら、食欲の秋を楽しもう。
【監修者プロフィール】
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部
■濱 裕宣(はま・ひろのぶ)さん
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長。給食栄養管理と臨床栄養管理をバランスよく機能させ、患者の立場に立った食生活の向上指導にあたる。『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』(出版文化社)、『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)など同病院栄養部監修による多数の健康レシピ本に関わる。
■赤石定典(あかいし・さだのり)さん
東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部管理栄養士。栄養食事指導によって、病態改善・治療・治癒への貢献を目指す。同病院栄養部監修の多数の健康レシピ本のプロジェクトリーダーとして活躍。栄養素の最大活用を考えた身近なレシピには定評がある。
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