『死に方がわからない』(双葉社)。自殺マニュアルの本ではない。ポジティブな実用エッセイだ。文筆家の門賀美央子さんが、「おひとり様」として綺麗な死を迎えるにはどうすればよいのかを、徹底的に調べて一冊にまとめ上げた。
独身者が増えている今、同じように「死ぬとき、ひとりだとどうなるのだろう」という不安を抱えている人は少なくないのではないだろうか。独身でなくても、親族を頼れるかはわからない。孤立して部屋で腐ることなく、綺麗に人生を閉じるにはどうすればよいのだろうか。
アラフィフの門賀さんは、独身、子なし、兄弟姉妹なし。現在生きている三親等以内は全員年上。「平均寿命程度まで生きると仮定して、その頃には死に際の面倒を見てくれるような家族親族は誰もいなくなっている」という状況だ。
祖父、祖母、父を見送り、自身も入院手術を経験して門賀さんが実感したのは、現実の死はドラマのように静かにはいかず、「前後に必ずすったもんだがある」ということ。では、そのすったもんだを最小限におさめ、できるだけ周りに迷惑をかけず死を迎えるには、おひとり様はいったいどんな準備をする必要があるのだろうか?
「家族に頼れるかはわからない」
「理想の死況がわからない」
「孤立死の避け方がわからない」
「死に場所がわからない」
「医療との適切な関わり方がわからない」
「葬式がわからない」
「お墓をどうすればいいのかわからない」
「遺品整理がわからない」
「お金の始末がわからない」
「繋がっておくべき他者が誰なのかわからない」
など、死にまつわるあらゆる「わからない」を、門賀さんが調べ尽くして一つずつ「わかった」に変えていく。おひとり様の人生を歩む人にとって、とても心強い一冊だ。
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