若い子が「ハシが転がっても笑う年頃」なら、更年期は「ハシが転がってもイラッとする年頃」――。
そんな衝撃的な導入で始まるのが、2022年8月22日に発売された永田京子さんの『ふりまわされない! 更年期 母と娘のための「女性ホルモン」対策BOOK』(旬報社)だ。
本書は、更年期をポジティブに自分らしく過ごすヒントをわかりやすく解説したもの。さらに、思春期の娘の心とからだの変化をふまえ、母娘がごきげんに日々を過ごすコツにも多くのページを割いている。環境の変化に向き合うための「ライフキャリアデザインシート」見本付き。
ここでは第2章、第3章から、更年期を乗り切るために知っておきたいこと、同じく変化の激しい「思春期」を迎える娘と家庭内で衝突しないためにできることについて、抜粋して紹介していく。
■目次
第1章 わたしたちのからだと女性ホルモン
第2章 思春期 娘の心とからだ
第3章 更年期 母の心とからだ
第4章 思春期VS更年期をうまく乗り切るには
第5章 更年期から人生を変える! 「チェンジ・オブ・ライフ」
およそ45~55歳の女性に訪れる「更年期」。女性ホルモンが急激に減ることで、肌のハリや潤いが急速に失われたり、自律神経の乱れから頭痛や不眠、ホットフラッシュに悩まされたり、さらにはイライラやうつっぽいなど精神的な症状が出たりすることも。
こうした心やからだのさまざまな不調を「更年期症状」、それによって本人や家族の日常生活に支障が出ることを「更年期障害」と呼ぶ。
更年期には9割の女性が心やからだに不調を感じるという。では、なぜ更年期障害になる人とならない人がいるのだろうか? その違いは?
著者の永田京子さんは、更年期障害の原因は大きく分けて「からだの理由」「心の理由」「環境の理由」の3つがあるとしている。
・からだの理由...性ホルモンの低下と自律神経の乱れからくる、心やからだに起こるさまざまな症状
・心の理由...繊細な性格やまじめな性格など、本人の気質
・環境の理由...子どもの思春期、受験や巣立ち、親の介護など環境の大きな変化
自分でできる対策として、次の方法を挙げている。
・からだの対策...自律神経を整える。呼吸法や体操、生活習慣の改善など
・心の対策...自分のからだの変化を正しく知る。更年期という共通のテーマを持つ仲間や友人、相談できる専門家とつながる
・環境の対策...人生で起こりうる変化を俯瞰して見つめる。「ライフキャリアデザインワーク」など、人生の転換期を書き出すのもおすすめ
日本人女性は特に、更年期障害に対して「ガマン」を選ぶ傾向があると、永田さんは見ている。その結果、更年期に関する研究データに日本人の声が反映されにくく、問題が見過ごされてしまう恐れがあるそうだ。
ほとんどの人が避けられない心とからだの不調を「原因」別に考えて、ガマンせず、より適切に対処していきたい。
一方、更年期と同じく女性ホルモンが原因で心と体に大きな変化が訪れる「思春期」。
更年期の母と思春期の娘。ホルモンバランスが不安定な者同士が同じ家で過ごしていると、どうしても衝突が起こってしまうことがあるという。
実際にそんな状況に陥った母親の体験談も。長女が中学生の頃にとっくみあいのケンカに発展し、関係機関に相談したが心ない言葉をかけられてしまった......。中学生になった次女が急に口をきいてくれなくなったけれど、高校生の長女に「気にすることない」と言われ、楽になった......。こうした具体的なエピソードを知ることで、この時期に「あるある」な問題をイメージしやすくなりそうだ。
「ハシが転がってもイラッとする」更年期をどうにかうまくやり過ごすために、本書はぜひ読んでおきたい1冊だ。
■永田京子さんプロフィール
NPO法人ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター。整体・経絡、リフレクソロジー、ピラティスなどを学び、出産後の母子のサポートを8年行なう。その活動の中で聞いた40代の女性たちの声や、更年期の母と思春期の自身が激しくぶつかった経験から、更年期の健康サポートを目的とした「ちぇぶら」を設立。1000名を超える女性たちや医師の調査協力を経て"更年期対策メソッド"を研究・開発・普及。全国の企業、官公庁、医療機関など、日本のみならず海外でも講演をおこない、のべ3万5000人が受講。また、YouTube「ちぇぶらチャンネル」や漫才など、ユーモアあるとりくみでわかりやすく楽しく伝えている。著書に『女40代の体にミラクルが起こる! ちぇぶら体操』(三笠書房)、『はじめまして更年期』(青春出版社)など。「ちぇぶら」は更年期を英語でいう"the change of life"の意。
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