「2022年度 第9回料理レシピ本大賞 in Japan」の「こどもの本」部門にノミネートされた『王さまのお菓子』(世界文化社)。フランスで親しまれるお菓子「ガレット・デ・ロワ」を題材にした甘くて優しいお話だ。
「ガレット・デ・ロワ」とは、日本語で「王さまのお菓子」という意味に当たるフランスの伝統的なパイのこと。
毎年1月になると、フランスの多くのケーキ屋さんやパン屋さんでは「ガレット・デ・ロワ」が所狭しと並ぶ。自分たちのお気に入りのお店でこのパイを買い、新年を祝う習わしがある。
このイベントのお楽しみといえば、パイの中に隠されている陶器の置き物「フェーヴ」を引き当てること。当たった人は、紙で作った王冠をかぶり、その日は王様(女王様)として祝福され、1年間の幸せが約束される。
『王さまのお菓子』(世界文化社)の主人公は、小さな陶器の人形の女の子。
ミリーは、とうきでできた おにんぎょうです。
豆つぶほどの大きさで、フェーヴとよばれています。
「さあ、いっておいで。きみは だれを しあわせにするんだろうねえ」
パティシエのブランさんに そういわれたミリーは、アーモンドクリームがたっぷりつまった パイのなかへ。
ミリーが中に入ったパイが買われていった家には、男の子の兄弟と、お母さんが病気のために預けられている女の子がいました――。
フェーヴを当てたい子どもたちと、幸せを担うミリー。それぞれが身近な人を思いやることで生まれたのは、優しい気持ちの連鎖だった。ガレット・デ・ロワを巡って起こる小さな奇跡の物語の結末を、大切な人と一緒に見届けよう。
本書の帯は、王冠になる特別仕様だ。ガレット・デ・ロワと紙の王冠で、1年の幸せを願ってみてはいかが。
<著者プロフィール>
文:石井 睦美(いしい むつみ)さん
作家、翻訳家。『五月のはじめ、日曜日の朝』(岩崎書店)で毎日新聞小さな童話大賞、新美南吉児童文学賞を受賞。『皿と紙ひこうき』(講談社)で日本児童文学者協会賞、『わたしちゃん』(小峰書店)でひろすけ童話賞を受賞。作品に「すみれちゃん」シリーズ(偕成社)、『100年たったら』(アリス館)、『まいごのてがみ』(世界文化社)など多数。
絵:くらはし れい さん
岐阜県生まれ。イラストレーター。絵本や書籍の挿画、パッケージのイラストなど、幅広い分野で活躍中。自身のサイトではオリジナルグッズの制作・販売もしている。作品に『レミーさんのひきだし』(小学館)がある。
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