雪の舞う北海道から青い海が輝く沖縄まで、旅先で出合った風景をクリームソーダで表現する「職人」がいる。
なんでクリームソーダ? と不思議に思うかもしれないが、まずはこちらをご覧いただきたい。
淡い紫色とブルーがまじりあうカクテルのようなこのクリームソーダは、新潟・佐渡の万畳敷の夕暮れをイメージしている。
岩場にところどころ残った潮だまりが水鏡となり、夕空を映し出す神秘的な光景が見事に表現されている。
撮影したのは、「クリームソーダ職人」で、服職人、写真家、喫茶店の店主など、さまざまな顔を持つtsunekawaさん。クリームソーダとともに全国を旅して各地の魅力をSNSで発信している。Twitterのフォロワーは16万人を超える人気ぶりだ。
そのtsunekawaさんが「旅×クリームソーダ」の記録を綴った初のフォトエッセイ、『旅するクリームソーダ』(ハーパーコリンズ・ジャパン)が2月16日に発売される。BOOKウォッチでは、発売前に本書の中身を特別公開! 美しいクリームソーダを、ひと足先に目で味わっていただきたい。
こちらは、鹿児島の桜島を背景にした1枚。
「カレー職人」の友人とともに、"旅する喫茶"と称して全国で移動喫茶をひらいているtsunekawaさん。その一環として訪れた鹿児島で、桜島の迫力に圧倒された。もくもくと噴煙をあげる日もあれば、穏やかな日も。日々違う表情を見せる桜島をバックに、桜色のクリームソーダを撮影した。
続いてこちらは、京都の町屋を改装した宿でつくった「京都の緑のクリームソーダ」。和と緑が織りなす、涼やかな京都の景色を表現している。
山梨の桃をぜいたくに使ったクリームソーダは、「夏」を想起させる。フレッシュで瑞々しく、パフェみたいでおいしそう......!
花をイメージしたクリームソーダも。こちらは、梅雨と紫陽花にインスピレーションを受けてつくったもの。
「移り気」という紫陽花の花言葉から、「過ぎ去ってしまう美しさをグラスに留めておきたくて」濃い紫色のシロップとゼリー、ホイップクリームで表現した。
続いてこちらは、ノスタルジックな桜の風景をイメージした幻想的な1杯。
青みがかった淡いピンクと透き通った氷が、春の夕闇に沈みゆく桜を映すさまは、「美しい」のひとことに尽きる。
名古屋で生まれ育ったtsunekawaさんにとってクリームソーダは、幼いころの想い出の味。祖父母の家に遊びに行った日の翌朝、喫茶店でモーニングを食べるのが習慣で、そこで出合った緑色と青色の2種類のクリームソーダが、幼い心に刻み込まれたという。
大人になり、全国各地を旅して歩くようになっても、いつも帰るのは二人のところ。上の写真は、喫茶店でいつもクリームソーダを注文してくれたおじいさんに、tsunekawaさんがつくったあの頃の味だ。
青い海や木々の緑、真っ白な雪、鮮やかな花の色――。日本の四季のうつろいを、グラスの中に描き出すのはまさに職人技。本書には、ここで紹介した以外にも、美しくノスタルジックな写真が満載だ。ページをめくるたび、日常を飛び出し、旅気分を味わえる。レシピも掲載されているので、「眺めてるだけじゃなくて、食べてみた~い!」という人は、ぜひ。
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