和山やまさんのマンガ『カラオケ行こ!』(KADOKAWA)の実写映画化が発表され、メインキャストである中学生の岡聡実役をオーディションで決定することも公表されて話題を呼んでいる。
和山さんの作品といえば、『女の園の星』(祥伝社)が「このマンガがすごい!2021」オンナ編第1位、「マンガ大賞2022」4位など、各ランキングで高評価を獲得。『夢中さ、きみに。』(KADOKAWA)は2021年にドラマ化されるなど、高い人気を得ている。和山さんのマンガの魅力とはいったい? 『女の園の星』『夢中さ、きみに。』そして映画化が決まった『カラオケ行こ!』の3作品をご紹介したい。
主人公は、とある女子高校2年4組の担任、星先生。担当は国語科。眼鏡をかけていていつも無表情。物静かな星先生の周りで、女子高生たちは自由に青春を謳歌している。
学級日誌の備考欄で繰り広げられる絵しりとり。「スマホ」の次に、謎のどんよりした人物の絵、そしてその次は「イカ」。「ほ」で始まって「い」で終わるこいつは何......?
よそのクラスで飼っている犬の「セツコ」がオスだと判明。
「あ、こいつオスじゃん」「オスなのにセツコ?」「名前変えようよ」「何がいいかな」「タピオカにしよ」
タピオカ......。
自由気ままな女子高生たちの予想外の行動に、無表情のまま振り回される星先生がクセになる。
こちらの舞台は男子校。クラスの林はちょっと変なやつだ。主人公の江間が、体育祭の借り物競争で「かわいい人」という男子校にあるまじきお題を引いてしまったとき、偶然視界に入ったのがなぜか障害物リレーの網に絡まったままの林だった。そのまま林を「かわいい人」としてゴールへ連れて行ってしまって以来、林はことあるごとに「僕、かわいい?」と聞いてくるようになった。
「クマと遭遇したら」というタイトルの本(それもかわいい表紙の)を読んでいた林を見て、江間は「いつどこでクマに出会うんだよ」と一蹴。そんな江間に林はあるドッキリを仕掛けるが......。
単行本には、謎めいた林と彼に振り回される江間を描いた"林編"と、近寄ると呪われると噂されるほど不気味なオーラを放つ二階堂と彼の前の席になってしまった目高の"二階堂編"の、短編マンガ計8編を収録。
中学3年生で合唱部部長の岡聡実は、大会のあとある男に呼び止められる。「カラオケ行こ!」
カラオケの個室で手渡された名刺には、「四代目祭林組若頭補佐 成田狂児」。ヤクザがなぜ僕をカラオケに......。狂児が言うには、組長が無類のカラオケ好きで、年4回強制参加のカラオケ大会がある。その大会の罰ゲームが嫌で、絶対に歌がうまくなりたい。そこで、狂児が合唱部の大会で最もうまいと思った学校の、部長である聡実に声をかけたのだった。奇妙な組み合わせ、奇妙な縁。聡実の指導のもと、狂児のカラオケ特訓が始まる。
聡実を主人公とした続編「ファミレス行こ!」も、「月刊コミックビーム」(KADOKAWA)にて不定期連載中だ。
緻密な作画、絶妙な表情、なんとも言えない人間関係、シュールな笑いのセンス。和山さんの作品は、一度読んだらクセになること間違いなしだ。あなたも和山やまワールドに足を踏み入れてみては。
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