鎌倉殿の13人を選んだのは政子だったのか?
頼朝亡き後、政子はいかにして幕府を守ったのか?
中世史研究の新鋭が新出史料を駆使し、比類なき指導力を発揮した女性政治家・北条政子の実像に迫る。
2022年5月10日、NHK出版より、『史伝 北条政子 鎌倉幕府を導いた尼将軍』(山本みなみ)が発売された。
鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝の妻にして、2022年大河ドラマの主人公・二代執権北条義時の姉である北条政子。気が強くて嫉妬深く、冷酷でヒステリック......など、マイナスイメージの強い彼女だが、同時代史料から見ると、主体的で慈悲深く、武家政権の確立と御家人の地位向上を果たした、鎌倉幕府最重要人物としての政子の顔が見えてくるという。
また本書では、政子の生涯が「頼朝の正妻である御台所の時代」(第1章)、「頼朝の死後、出家し、後家として政治にも関与した時代」(第2章)、「尼将軍として采配を振るった時代」(第3章)と大きく3つに分けられている。
これは、政治状況によって異なる立場についた政子の生涯を章ごとに考察するという試み。さらに、北条氏による編纂物の『吾妻鏡』だけでなく、『愚管抄』『明月記』『六代勝事記』などの京都側の史料や、大倉幕府周辺遺跡群の発掘調査などの考古学の成果も活用して、類いまれなる政治力を発揮した女傑の全貌を明らかにする。
大河ドラマファンはもちろん、中世史ファンも必読の一冊だ。
内容
●プロローグ 政治家・北条政子
●第一章 御台所の日々
●第二章 頼朝の後家として
●第三章 尼将軍の時代
●終章 後代の政子像
●エピローグ 鎌倉幕府を導いた尼将軍
著者紹介
山本みなみ(やまもと・みなみ)
1989年、岡山県生まれ。中世史研究者。京都大学大学院にて博士(人間・環境学)の学位取得。鎌倉歴史文化交流館学芸員、青山学院大学非常勤講師。中世の政治史・女性史、特に鎌倉幕府や北条氏が専門。北条義時の生涯と謎に迫る初の著書『史伝 北条義時』を2021年末に刊行。
※4月より隔週木曜日に朝日新聞紙上で「鎌倉からの史(ふみ)」連載中。
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