法医学者による検死・解剖の結果、驚くべき事実が発覚することがある。老衰だと思われていた死因が毒殺だった、他殺に見える自殺遺体......など、まるでミステリー小説のよう。
2022年4月16日『不自然な死因 イギリス法医学者が見てきた死と人生』(大和書房)が発売された。世界19か国で刊行されており、すでに63万部も売れている本格ノンフィクションだ。
本書では、実際の犯罪や事故の様々な検死・解剖の結果、意外な真実が発覚した例を多数紹介していく。中には、9.11テロ事件、ダイアナ元妃の事故、バリ島テロなど有名な出来事も取り上げられている。
著者のリチャード シェパードさんは、これまでに2万3000人もの検死・解剖を手掛けてきた法医学者。ダイアナ元妃の死をめぐる公開調査の法病理学者として、とくに有名である。本書で取り上げられる「死」にまつわる事実はまるでドラマのようで、少し怖いけれども夢中になってしまう。
本書の目次は以下の通り。
1 予兆
2 ハンガーフォード銃乱射事件
3 フラッシュバック
4 法医学への目覚め
5 初めての解剖の授業
6 検死と解剖、そして遺族との面談
7 子どもが教えてくれたこと
8 殺人事件の検死と解剖
9 死亡推定時刻を割り出す
10 事実と解釈
11 遺体が分解するプロセス
12 「真実」の難しさ
13 人はいつから「人」になるのか?
14 女性の銃殺犯
15 遺族に「真実」を
16 きしみ始めた結婚生活
17 生者は嘘をつく
18 大規模災害における法医学者の仕事
19 ナイフの専門家
20 警察による「拘束死」
21 刺創は現場を語る
22 マーショネス号沈没事故
23 レイチェル・ニッケル殺害事件
24 人権差別が殺人につながるとき
25 真実を追究する闘い
26 キャリアの転換点
27 乳幼児の死因
28 裁判所の法病理学者
29 憂鬱な事件たち
30 9・11にはじまるテロ対策
31 流行の死因
32 ダイアナ元妃の事故の再検証
33 新しい生活
34 変わらないもの
解説 養老孟司
世界中の人の関心を集める法医学の世界。世界中が絶賛する究極のノンフィクションに触れてみてはいかがだろうか。
■リチャード シェパードさんプロフィール
西ロンドンで生まれ、イングランド南東部の町ワトフォードで育つ。1977年、ロンドンの聖ジョージ大学医学部で医師資格を取得し、1987年、法病理学者としての卒後研修を修了。ガイズ病院・法医学部でキャリアをスタートさせた。以来、殺人事件から大規模災害に至るまで、国内外で数万件の不自然死の法医学的調査に携わる。ダイアナ元妃の死をめぐる公開調査の法病理学者として、とくに有名である。国内外の大学や会議で専門的な講義を行う一方で、中等学校等での講演活動も行っている。ほかの著書に『Simpson's Forensic Medicine 12Ed』『The Seven Ages
of Death』がある。趣味は養蜂と空を飛ぶこと。
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