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漫然と、うっかりは嫌。「美しく」歳をとるための6つのテーマとは?

大人の美学

 「うっかり歳をとってしまいそうで怖い――」。

 累計50万部突破『ココ・シャネルの言葉』の著者・山口路子さん最新作『大人の美学 245の視点』(大和書房)が刊行された。

 「どんなシワだったらいいのか」「誰もが他人には不実」「老化を楽しむなんて嘘」......。ジェーン・バーキン、オノヨーコ、ジャンヌ・モロー、森茉莉、ジュリエット・ビノシュ、カトリーヌ・ドヌーヴなどに学ぶ。

 245の本や映画、世界の美、知性から学んだ視点とは。

どんなふうに年齢を重ねていこう

 あなたは何歳のころ、こんなふうに感じただろうか。

 「『もう若くはない』とはじめて体感した」「『もう若くはない』があたりまえになった」「これまでと同じファッションが似合わなくなってきた」「失われゆく肉体の若さを自覚して、内面を豊かに育みたい、と焦りに近い感覚で頻繁に思うようになった」「何かにふれたときの感動が淡い色になってくる『精神の老化』を恐れた」......。

 著者(55歳)は「三十代にはいったころかな」「いや、四十代でしょう」として、はっきり、あのとき、と覚えているわけではないという。

 「かなり長い間『これからどんなふうに年齢を重ねていこう』というテーマとつきあっていることは確かです。そしてこのテーマ、年々切実になり、いいかげん、ここで真剣に考え、書いておかないと、うっかり歳をとってしまいそうで怖い、とまで思うようになってきました」

 トークイベントなどでこのことを話すと、男性も女性も、20代後半から60代まで、「みんな前のめりの姿勢」になるのだとか。

 「漫然と、うっかり歳をとってしまうのは嫌、そして、どうせ歳をとるなら美しく歳をとりたい、美しい大人でありたい。そう願ったとき、絶対的に必要になってくるのが美学なのだと私は考えます」

絶対的に必要な「美学」

 「美学」というとかしこまった感じがするが、「美しさについての考え方や感じ方、趣味嗜好」と著者はとらえている。

 「いったい自分はどんな人を美しいと思うのか」「そもそも、自分はどんなことを、どんなものを美しいと感じるのか」......。こうした「自分の美学」「美の基本」「美の種子」がないところからは「何も育たない」ときっぱり。

 そこで著者が「『美』について語るとき必ず登場してもらう言葉たち」を紹介している。

美には傷以外の起源はない。
――フランスの小説家 ジャン・ジュネ
美というものは希少さを望んでいる。美とは、はっと息をのむもの、印象に残るもの。自分の現実を知り、自分にふさわしい美を採用することが肝要。
――「フランスの美の哲人」と称されるアーティスト セルジュ・ルタンス

 わかりやすくはないからこそ、考えさせられる。考えて考えて......この「たえまのない精神活動」こそが「自己の美学の研磨」になるという。


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 どんな大人を美しいと思うか。著者が真剣に考えた結果、くっきりとあらわれた6つのテーマはこうだ。

 「スタイルのある人になりたい、色香のある人でいたい、愛する人をめざしたい、変容する人でありたい、知性の人に惹かれる、シワにキスされる人になれたら感無量」

 歳をとることに戸惑っているのは自分だけではないとわかって、安心する。いまさら......と思わず、自分の「美学」をもって、せっせと磨いていきたいものだ。


■山口路子さんプロフィール

 1966年生まれ。作家。美術エッセイ、小説など、著書多数。『シャネル哲学 ココ・シャネルという生き方 再生版』(ブルーモーメント)をはじめとする「生き方シリーズ」、そして「読むことで美しくなるシリーズ」(『オードリー・ヘップバーンの言葉』『マリリン・モンローの言葉』『ココ・シャネルの言葉』『ジェーン・バーキンの言葉』『マドンナの言葉』『カトリーヌ・ドヌーヴの言葉』『サガンの言葉』(だいわ文庫))は累計50万部を突破。『逃避の名言集』も話題となり、版を重ねている。


※画像提供:大和書房


 
  • 書名 大人の美学
  • サブタイトル245の視点
  • 監修・編集・著者名山口 路子 著
  • 出版社名大和書房
  • 出版年月日2021年12月18日
  • 定価1,650円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・288ページ
  • ISBN9784479785521

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