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シュウマイはいよいよ「第7世代」へ。令和の最新トレンドは?

シュウマイの本

   好きな食べ物を聞かれた時に「シュウマイ」と答える人は意外にも少なかったりする。幕の内弁当に入っていたら嬉しいし、今日の夕飯の献立に一品追加すれば、みんな美味しく食べてくれる。しかしどこか拭えない「脇役」感......。

   そんな脇役の「シュウマイ」が今、主役へと躍り出るべく快進撃を続けている。まるごと1冊、シュウマイだけにフォーカスした『シュウマイの本』(産業編集センター)が12月15日に発売された。

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『シュウマイの本』(産業編集センター)

こんなに変化してる!シュウマイの変遷

   一口に「シュウマイ」といっても、シュウマイジャーナリストのシュウマイ潤さん曰く、7つの世代に分類できるんだとか。

第一世代:日本の中華料理上陸と、中華街文化で育まれたシュウマイ
第二世代:第一世代から生まれた「ジャパニズムシュウマイ」
第三世代:地域の定食屋として育まれた町中華のシュウマイ
第四世代:豚(肉)まんの相棒、おみやげシュウマイ
第五世代:家庭で気軽に食べられる「冷凍」「チルド」「惣菜」シュウマイ
第六世代:全国のご当地食材を生かした「ローカルシュウマイ」
第七世代:従来のシュウマイの常識に囚われない「新世代シュウマイ」
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シュウマイの世代分類

   最近では、シュウマイ専門店やシュウマイが看板メニューの居酒屋が多数オープンするなどシュウマイブームがきているらしい。

   本誌では、1,000種類、5,000個のシュウマイを食べたシュウマイ潤さんが、中華料理の上陸とともに始まったシュウマイの歴史をひも解いていく。

   各世代の特徴を、詳しく見て行こう。

第一世代 日本の中華料理上陸と、中華街文化で育まれたシュウマイ

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左:テイクアウトしたシウマイ(清風楼)  右:とびこをトッピングしたシュウマイと昔のメニュー表(聘珍樓)

   シュウマイは中国の点心文化由来で、日本の中華街で生まれた可能性の高い料理。中華街の中でも、シュウマイの存在がいち早く確認されたのは、横浜中華街なのだそう。

   中華街を代表するシュウマイの名店として知られる「聘珍樓」(1884年創業)、「海員閣」(1936年創業)、「清風楼」(1945年創業)では、本場中国料理の遺伝子を受け継いだ、古き良きシュウマイの味が今日でも体感できる。

第二世代 第一世代から生まれた「ジャパニズムシュウマイ」

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   「博雅」(神奈川/横浜)、「崎陽軒」(神奈川/横浜)、「中央軒」(佐賀/鳥栖)、「一芳亭」(大阪/難波)をはじめとする、本場中華から派生し、日本的なアレンジが加えられたシュウマイのこと。
   これらのシュウマイが一時代を築き上げるのに、今の時代でも通用するシュウマイの品質や個性とともに、鉄道の発達や百貨店の増加といった時代背景も一役買っているようだ。

第三世代 地域の定食屋として育まれた町中華のシュウマイ

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左:1914年ごろの「來々軒」の店頭写真(提供:新横浜ラーメン博物館) 右:2020年に復活した「來々軒」のシウマイ

   「中華料理店なのに、中華料理っぽくなく、むしろ和食的な優しさが滲み出ている」町中華で生まれたシュウマイのこと。「來々軒」は日本最古のシュウマイを出した町中華と言われ、日本で初めて中華そばの脇役としての「シューマイ」の地位を確立したのだそう。ちなみに長崎県の町中華ではシュウマイを見かけないのだとか。

第四世代 豚(肉)まんの相棒、おみやげシュウマイ

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   「PAOPAO」や「551蓬莱」などを筆頭に、豚(肉)まんとともに持ち帰ることができる、おみやげシュウマイのこと。
   豚(肉)まんをメインで販売する店舗は、皮やあんにこだわりがあり、それがシュウマイにも生かされているのだそう。名豚(肉)まんあるところに、良シュウマイあり。

第五世代 家庭で気軽に食べられる「冷凍」「チルド」「惣菜」シュウマイ

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   高度経済成長期に、冷凍冷蔵技術の発達とともに誕生した、日常的に気軽に購入できるシュウマイのこと。
   おうちシュウマイの定着により、手軽なおかずという脇役のイメージがさらに強まることになるが、2016年にメインのおかずとしての冷凍シュウマイが発売されて以降、冷凍シュウマイ業界は戦国時代に突入しているのだとか。

第六世代 全国のご当地食材を生かした「ローカルシュウマイ」

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いかしゅうまい発祥の店「呼子萬坊」(佐賀/呼子)

   国内旅の発達とともに、「おみやげグルメ」として生まれた、ご当地食材を用いたシュウマイのこと。
   初のご当地シュウマイである「いかしゅうまい」(佐賀)や、具がない「コロリンシュウマイ」(群馬)、猪肉を用いた「山肉シュウマイ」(京都)など、地域の名産を活かした唯一無二のシュウマイが増えているのだそう。

第七世代 従来のシュウマイの常識に囚われない「新世代シュウマイ」

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   第七世代=シュウマイの未来。
   「シュウマイといえば"蒸す"&"醤油とカラシ"」という常識を覆した「野田焼売店」などの専門店や、シュウマイがメイン料理の「焼売酒場」が近年急増しているのだそう。シュウマイには明るい未来が待っている!

   誰もが一度は口したことがある「シュウマイ」の魅力に迫る画期的な1冊。さあこれからは、シュウマイの時代の到来だ!

■シュウマイ潤さんプロフィール

シュウマイジャーナリスト、研究家、日本シュウマイ協会発起人。 本名は種藤潤。1977年神奈川県茅ケ崎市生まれ。大学卒業後、フリーランスとして取材執筆を行う。2015年頃からシュウマイ研究を開始し、インスタグラム「焼売生活」を中心に情報を発信。2021年9月現在までに、約1,000種、約5,000個のシュウマイを食べてきた。2018年5月と2021年10月に「マツコの知らない世界」(TBS)でシュウマイの知らない世界を紹介。以後、さまざまなメディアでシュウマイについて語る。2019年1月、「東京シュウマイ弁当」(オーガニックキッチン)を監修。2020年7月、東京食材活性化を目指す「メイドイン東京の会」とコラボレーションした「東京焼売」を発売するなど、活動の幅を広げている。
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※画像提供:産業編集センター


  • 書名 シュウマイの本
  • 監修・編集・著者名シュウマイ潤 著
  • 出版社名産業編集センター
  • 出版年月日2021年12月15日
  • 定価1,760円(税込)
  • ISBN9784863113183

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