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二子玉・自由が丘の人気店「リゼッタ」こだわりの「布」の世界

布のはなし

   10年ほど前、東京・世田谷にある小さな洋服店「LISETTE」(リゼッタ)のショップで、リネンのパンツを購入した。やわらかな素材も、濃淡のある色合いも、ポケットやボタン、ベルトループにいたるまで、小さなこだわりが詰まったデザインに一目ぼれした。少し値は張ったが、今でも季節を問わずしょっちゅう履いているので、じゅうぶん元は取れている。

   リゼッタは、今年で15周年を迎えた人気のアパレルブランド。二子玉川のお店には、リネンのワンピースや手刺繍のブラウス、一点もののアクセサリーなどが並ぶ。

   暮らしに寄り添う愛おしいアイテムを生み出し続けるリゼッタの中核を担っているのは、ディレクターとデザイナーを担当する平真実さんだ。そんな平さんが、繊細で美しい感性で綴る「とっておきの布の話」が一冊の本になった。

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『布のはなし』(産業編集センター)

   本書、『布のはなし』(産業編集センター)には、フランスでの古い布との出会いや、暮らしと密接にかかわる布の特徴・楽しさなど、布を愛してやまない著者ならではのエピソードが詰まっている。

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「どんなに時代がすすんでも、つくるスピードやバリエーションが変わったとしても、糸を紡いで織って布になる。原始的で普遍的な布という大発明は、たぶん当分は私たちの暮らしをささえ、豊かにしてくれるでしょう。」――私の布のはなし(「はじめに」に代えて)より
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   「リゼッタ」立ち上げから、過去に発表したオリジナルプリントのアーカイブ、刺しゅう用図案も公開。布好き・手芸好きにもおすすめだ。

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「セロ弾きのゴーシュ」刺しゅう

リネンの「正しい」お手入れ方法も

   ほかにも、擦れに弱いリネンのお手入れ方法、夏と冬におすすめの下着の素材など、布ごとの特性や暮らしに役立つ実用的な要素も紹介している。

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本書より

   目次は以下の通り。

私の布のはなし(「はじめに」に代えて)

第一章 暮らしの布、まとう布
台所の布/カーテン/夏の下着/冬の下着/夏のリネンとお手入れ

第二章 布のはなし
リネン(亜麻)/オーガニックコットン/リゼッタの白/白いシャツ/古い布に出会って/染色工場を訪ねてd
第三章 プリントのはなし
インスピレーション
 エーデルワイス、スミレ、サクランボ、ボカージュ、バラの実、
 FLOWER フラワー、蕾 TSUBOMI、ひまわり、コクリコ、野花

第四章 プリント・アーカイブ

セロ弾きのゴーシュ 図案と作品例
Index

『布のはなし』をつくるにあたって(「あとがき」に代えて)
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目次

   「仕立てる」という表現がぴったりの、リゼッタの服。素材へのこだわりを知れば、ますます愛着がわく。長く愛せる服を求めている人にも、手に取ってほしい一冊。

■平真実(たいら・まみ)さんプロフィール

アパレル会社を経て独立。現在、リネンの服をはじめ、小物雑貨、ライフスタイルを提案する人気ブランド「LISETTE(リゼッタ)」のディレクター&デザイナーとして活躍。ほかにも、雑誌や書籍などでスタイリングも手がけている。著書に『わたしの好きな、ミニマルな10着』(文化出版局)など。

※画像提供:産業編集センター


  • 書名 布のはなし
  • 監修・編集・著者名平 真実 著
  • 出版社名産業編集センター
  • 出版年月日2021年12月15日
  • 定価1,980円(税込)
  • ISBN9784863113190

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