「ダイエット」という言葉が日本に登場して約70年。
あるダイエット法が一世を風靡しては、形を変え、名を変え、また新たなダイエット法が登場する。「で、やせたの?」――。
本書『で、やせたの? まんがでもわかる人生ダイエット図鑑』(小学館)は、「女性セブン」名物ライターでダイエット歴50年の野原広子さん(通称・オバ記者)が「ダイエットとともに人生まるごと振り返ってしまおう」という1冊。
「『ダイエット』は全人類の永遠のテーマ。なかなか理想の体型を作り上げ、維持するのは大変な作業です。だったら、笑いながら、振り返ってみるのもいいか......と」
本書は、野原さんの体験記にまんがを添えて「ダイエット70年史」と「人気のダイエット法」を紹介している。やったことがある、もしくは聞いたことがある、懐かしのダイエット法が見つかるだろう。
第1章 ダイエット70年史
■1950年代~1970年代
ぶらさがり健康器、ルームランナー、ミコのカロリーBOOK
■1980年代
紅茶キノコ、地中海ダイエット、リンゴダイエット、エアロビクスブーム、高級エステサロンブーム、脂肪吸引・プチ整形、「ダイエット本」全盛期
■1990年代
スヴェルト、やせる石鹸、ダイエットスリッパ、ラップ巻き巻きダイエット、お茶でやせる、センナ茶、ロングブレス、ビバリーヒルズダイエット
■2000年代~現代
ビリーズブートキャンプ、カーヴィーダンス、コアリズム、ニンテンドーWiiFit、EMSマシン、サプリメント
第2章 人気のダイエット法もいろいろ
■カロリー抑制型ダイエット
朝バナナ、夜トマト、コントレックス、ゆで卵ダイエット、タニタ食堂
■デトックス型ダイエット
マイクロダイエット、炭水化物抜きダイエット、天草ダイエット、オニオングラタンスープ、酵素ダイエット、あずき水ダイエット
■運動系
バレリーナダイエット、ボクササイズ、スクワット、ヨガ
■コツコツ日常生活
ウォーキング、耳ツボ、洗濯バサミ、笑うダイエット、推しメンダイエット、お部屋片付け、洋裁にはまる
■精神力勝負ダイエット
月曜断食、人間ドック、血圧計測
これらのダイエット法を制覇したという野原さん。ダイエットに関して「プロ中のプロ」と自認しているのも納得である。
野原さんの体験記は本書に譲るとして、ここでは年代ごとの特徴を見ていこう。
1950年代~1970年代は、なんでもいいからとにかくやせて、見た目をスリムに。「カロリー」という言葉は、栄養士が使う専門用語のようなものだったが、1970年刊行の大ベストセラー『絶対やせる ミコのカロリーBOOK』によって全国に広まる。
1980年代は、バブル期到来! ガマンや制限をするのが「ダイエット」! 医療美容系も台頭してくる。グルメブームでキャビアやフォアグラを食べ、太る。1キロやせるのに10万円かかる美容整形系ダイエットも人気。
1990年代は、バブルが弾けて平成不況に。お手軽、お手頃なダイエット全盛。お金をかけて派手な結果を求めるより、ごく身近なものを身に着けるだけの方向に。
2000年代~現代は、理論に基づくダイエットブーム。健康的にやせることが第一。一方で「美魔女」ブームも。「○○だけ」ではなく、内臓のココに作用してやせる、という理屈っぽい傾向が見られるように。
「いろんなダイエット法を試してきたけれど、私の身体は私の思い通りになんか動かないし、別の生命体に身体を乗っ取られたんじゃないかと毎回思うんだわ。だからお遍路さんじゃないけど、同行二人。ダイエットをしているとなぜか寂しくないのは、もうひとりの自分と歩いているからかもね」
結局やせたかどうかはさておき、「○○ダイエットに勤しんでいた頃はあんなことがあったな」と、ダイエット史を振り返りつつ思い出に浸るのもいい。
本書は、ニュースサイト「DIETポストセブン」の連載(2015年から2021年5月まで)を大幅に書き換えたもの。イラストは、有田リリコさんのインスタグラムに掲載されたものを加筆したもの。
■野原広子さんプロフィール
60代前半。茨城県生まれ。現在93歳の母の介護のため、茨城と東京を行き来しながら「女性セブン」などの連載を続けている。そのため、最近少々ヤツレ気味。ダイエットに関しては「プロ中のプロ」と自認している。
■有田リリコさんプロフィール
50代後半。広島県出身。現在、SNSで「ダイエットエッセイ」などを執筆中。かわいいのにドクのある作風が「わかる~」と共感をよんでいる。本人は小柄でやせている。見た目が若く、あらゆることに情報通。
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