10月22日発売の「プレジデント」(2021年11月12日号)の特集は「世界最強企業の美しい資料術」。アマゾン、アップル、グーグルなどのお手本をたっぷり紹介している。
トップ企業の資料は一瞬で相手の心をつかむ技術、説得する技術の宝庫だ。各企業にかつて勤めたことのある関係者が実物を再現している。その特徴は次の通りだ。
グーグル式 たった1つのビジュアルで、感情を揺さぶる アップル式 写真2枚のギャップで、相手をグッと集中させる アマゾン式 「理想の未来」のプレスリリースを書いてみる マイクロソフト式 「成約率2割もアップ」のフォント&文字数 トヨタ式 苦しんで生み出した情報を、さらに絞り込み ソフトバンク式 口説くストーリーづくりは、紙の並べ替えから マッキンゼー式 1枚のスライドには、1つのメッセージだけ
細かな図表とデータが入ったトヨタ式を除くと、どれもみなシンプルで美しい。逆にこれでいいのかと心配になるほどだ。ビジュアルの重要さが伝わってくる。
社長目線・投資家目線の採点ポイントの記事も載っている。レノバ会長の千本倖生氏は、読み進めたくなる事業計画書には、「そうそう」「なるほど」があふれているという。ボリュームはA4用紙換算で6~7枚程度に収められているのがいいという。自身が第二電電(DDI、現在のKDDI)を立ち上げるために稲盛和夫氏(当時京セラ社長)を説得したときは、あえて資料を持たず、コーヒー店の藁半紙に図を書いて説明したそうだ。
また、アサヒビール社長の塩澤賢一氏は、最初からわかりやすくて面白いかがポイントだという。「人を驚かせたり感動させるために、長い説明は不要です」とも。
「外資系のスマート資料術」も参考になりそうだ。準備で「全体完成度」が決まる、ルールさえあれば「統一感」が出る、メッセージを際立たせて「確実な腹落ち」などがポイントだ。
円グラフには原色を使わない、格子罫線の表はやめるなど、デザイン心理学によるテクニックも参考になるだろう。いかにこれまでいい加減な資料を作ってきたかと反省すること間違いない。
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