「シンデレラ」や「眠り姫」、「ラプンツェル」――。森晶麿さんの「偽恋愛小説家」シリーズは、ミステリアスな小説家・夢宮宇多と駆け出し編集者の井上月子が、不可解な事件を誰もが知っている「童話」になぞらえて解き明かしていく人気のシリーズだ。
10月7日に発売された最新刊、『偽恋愛小説家、最後の嘘』(朝日新聞出版)はシリーズ初の長編作品。今回は、ベストセラー作家が真夏に凍死体で発見されるという奇妙な事件から物語が始まる。
「犯人は雪の女王」とネットで騒がれる中、死者がSNSで「最高傑作」とする小説の一部を投稿し、出版社による幻の遺稿の争奪戦が繰り広げられる。そして第二の事件が発生し......。そんな中、夢宮はアンデルセンの『雪の女王』になぞらえて解き明かしていく。
『雪の女王』は、ディズニー映画『アナと雪の女王』の原作にもなった有名な童話だ。著者の森さんは、朝日新聞出版公式note「さんぽ」で、「アンデルセンの『雪の女王』をテーマに「真夏の凍死体」に「幻の遺稿争奪戦」とシリーズ中もっとも脂の乗った超エンタメミステリとなりました」とコメントを寄せている。アガサ・クリスティー賞を受賞したミステリーの名手が、あの有名な物語をどう料理するのか、期待が高まる。
2014年に連作恋愛ミステリーとして登場したシリーズ1作目の『偽恋愛小説家』は、「シンデレラ」「眠り姫」「人魚姫」「美女と野獣」という物語になぞらえ、"新進気鋭のイケメン恋愛小説家"夢見宮が、殺人事件の謎を追う。「シンデレラ」のような胸躍る恋物語の中に隠された秘密とは......?
2年後に刊行された2作目『俗・偽恋愛小説家』では、「白雪姫」「ラプンツェル」「かえるの王さま」「くるみ割り人形」がテーマになっている。「夢宮が女性と仲良く歩いていた」と同僚から聞いた月子が、ヤケになってお見合いをしたところ、その相手が......という気になるストーリーも。
前作から約5年。ファンは2人の関係がどうなるのか、うずうずしながら待ち望んでいたに違いない。初めて読む人も、これまでのシリーズとあわせて読めば、謎解きはもちろん、夢宮と月子の関係性の変化をより楽しむことができる。ワクワク要素が盛りだくさんのミステリー作品だ。
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