本を知る。本で知る。

悩む→読む→視野が広がる。70年生まれが仕事人生のコツ詰め込んだ「あんちょこ辞典」

仕事人生あんちょこ辞典

 「悩んだら読め!」――。全ビジネスパーソン必携、"日本初"のお悩み解決「あんちょこ」辞典が刊行された。

 本書『仕事人生あんちょこ辞典 50歳の誤算で見えた「ブレイクスルーの裏技45」』(KKベストセラーズ)は、バラエティプロデューサー・角田陽一郎さん、ロングセラー『考具』の著者・加藤昌治さんの「仕事人生のコツ」と「生き方の智恵」を詰め込んだ1冊。

 厚さ約5センチ、重さ約1キロというサイズ感。これはいったい何の本かと興味をそそられる。

【あんちょこ】
教科書で学習する要点が記されていて、自分で調べたり考えたりする必要のない参考書。虎の巻。(『広辞苑』より)

book_20210902154613.jpg

「あ」から「ん」まで

 本書は「仕事人生」で直面する悩みの中から、50音順に45のキーワードを選び、「仕事への心構え」と「切り抜ける裏技」を解説している。

■45のキーワード
遊び/意識高い系/裏切り/英語力/オンリーワン/学歴/キャリアデザイン/クレーム/言語化/コスパ/左遷/上司/SNS/セクシー/相談/退屈/貯蓄/つるむ/テンパる/倒産/難問/ニッチ/盗む/根回し/能率/破壊衝動/引きこもり/副業/ヘンタイ/本質/学び直し/味方/無常観/名刺/モラル/約束/ユーモア/予算/来年/履歴書/ルサンチマン/レコメンド/老後/「私」/ん?

 目次には、これらの45のキーワードとともに、著者2人によるキーワードの定義、キーワードにちなんだ「仕事人生における悩み」を記している。

~例~
ひ【引きこもり】
・角田 内側に引きこもることで、むしろ外側が見えてくることがある。
・加藤 無理して全員と仲良くしなくても好い、説。
・仕事人生における悩み
 外出するのが億劫です。仕事だってリモート会議で全部済んじゃう気もします。引きこもってちゃダメでしょうか?

book_20210902155017.jpg

 さらに、巻末には「こんな気持ちの時は、ここを読んでみて!」ナビゲーションとして、「どんな気分で悩んでいるの? 仕事人生『感情別』逆引き索引」を設けている。14の感情と約250の「○○時」から、それにピッタリの本文のページ数と小見出しを紹介している。

■感情
安心できない/癒されたい/怒っている/落ち込んでいる/緊張している/嫌悪している/困っている/嫉妬している/耐えられない/疲れている/つまらない/情けない/憎んでいる/やる気がでない
■時
理不尽に憤る時に/むごい仕打ちをうけた時に/世界が灰色に見える時に/未来のことが心配な時に/「自分、スゴい」と思いたい時に ほか
~例~
・どんな感情? 嫌悪している
・どんな時に? 逆らいたい時に
・その悩みの「あんちょこ」が見つかる!
 402ページ 小さいところから、壊していいんじゃないですか?

 実物を見ないとわかりづらいかもしれないが、感情が爆発寸前の時、この「『感情別』逆引き索引」は大いに役立つはずだ。

良き兄貴分、親友のように

 角田さんと加藤さんは、ともに1970年生まれ。出会ったのは1986年の高校1年の時。今年で35年の付き合いになる。どうりで2人の対談は、ラフな雰囲気でテンポ良く進む。

 「渾身の編纂」と帯にあるが、本書はなんと30万字を超えたという。タイトルや文体からは柔らかい印象を受けたが、そのボリュームといい、約2500の用語索引と約900の脚注といい、見た目どおり辞書らしさもある。

 「仕事人生においてちょっとした不安に陥った時、困った時なかなか悩みから解放されない時に、良き兄貴分のように、また親友のように隣に立ってアドバイスしてくれる辞典を目指した。長く傍らに置いて、何度でも繰り返し読んでいただければ幸いである」

 仕事に悩みはつきもの。それならいっそのこと、まとめて辞典にしてしまおう! という発想が真新しい。ここまで全体像を紹介してきたが、最後に著者メッセージを引用しよう。

 「私たちの人生には、もうちょっと多くの選択肢があるんじゃないか?」
 ――加藤昌治
 「人生の素晴らしさって、結局のところ、何に出会うか? 誰と出会うか? なんだって想うわけです!」
 ――角田陽一郎

 聞き手として時々登場するライターは、「読者のものの見方にいつの間にかいい影響を与える本」が「いい本」と書いている。悩む→読む→視野が広がる。本書はそんな1冊になるだろう。


book_20210902161610.jpg

■角田陽一郎さんプロフィール
 バラエティプロデューサー。千葉県出身。千葉県立千葉高等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年TBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など、主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社goomoを設立(取締役 ~2013年)。16年TBSを退社。現在、東京大学大学院で文化資源学を研究中。『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか?』『人生が変わるすごい「地理」』『運の技術』『出世のススメ』など、著書多数。週刊プレイボーイで映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。

■加藤昌治さんプロフィール
 広告会社勤務。大阪府出身。千葉県立千葉高等学校卒。1994年広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』、『発想法の使い方』、『チームで考える「アイデア会議」 考具 応用編』、『アイデアはどこからやってくるのか 考具 基礎編』、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』がある。


※撮影:BOOKウォッチ編集部


  • 書名 仕事人生あんちょこ辞典
  • サブタイトル50歳の誤算で見えた「ブレイクスルーの裏技45」
  • 監修・編集・著者名角田 陽一郎、加藤 昌治 著
  • 出版社名KKベストセラーズ
  • 出版年月日2021年9月10日
  • 定価2,970円(税込)
  • 判型・ページ数A5判・752ページ
  • ISBN9784584139776

新刊の一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?