新型コロナウイルスの感染者は、重症患者などを除き「自宅療養」を基本とする、という政府の方針が議論になっている。デルタ株の感染が急拡大し、ワクチンを接種したくてもなかなか予約ができない状況で、もし感染してしまったら......と考えると、不安は募る。自宅療養中に家族にうつしてしまったり、一人暮らしで症状が急変したりしたら、どうすればいいのだろう。
そんな中、実業之日本社では、岡田晴恵・白鷗大学教授の著書『新型コロナ 自宅療養完全マニュアル』を8月31日までの期間限定で、無料で全文公開している。
本書は、「新型コロナウイルスとは」に始まり、「もしかかったら」、「感染しないためには」の3つの章で構成されている。どんな症状が出るのか、「軽症」「中等症」「重症」の違い、医療機関へのかかり方、看病の仕方、必要な備蓄品など、項目ごとにイラストやチャートを交えてわかりやすく解説されている。
たとえば、「軽症」「中等症」「重症」の違いについては、次のように説明している。
38.5度以上の高熱があり、咳がひどく、自分では「重症」だと思っても「軽症」と判断されることもあるのは、重症度を分ける基準は主に酸素飽和度(血液中にどれだけ酸素が含まれているか)で決まるため。酸素飽和度が96%を下回らない限りは、いくら高熱でも「軽症者」に分類される。中等症はさらにIとIIに分類され、Iは息切れや肺炎のような症状があっても呼吸不全がなく、IIになると、酸素投与が必要で呼吸不全の場合。どちらも肺炎の症状がみられるという。
また、急に重症化して救急車を呼ぶときは、「落ち着いて、はっきりと、簡潔に状況を伝える」ことが必要だ。心配なあまり、早く搬送してもらおうと、患者を玄関まで移動したりするのはNG。寝ていても具合が悪いのに、体勢を変えるとどんな悪影響があるかわからない。救急隊が来るまで、患者は寝かせたままにしておこう。
自宅療養中、緊急な事態(症状の急変や悪化など)でないときは、ひとまず対症療法を行ってみることを勧めている。症状がつらい時には、市販の風邪薬を飲み、症状を和らげるのも一つの方法だ。飲んでいい薬の名称や配合成分などについても、表にまとめられている。
詳しい内容は、以下の通り。
Chapter1 新型コロナウイルスとは
コロナウイルス感染症ってどんな病気?
新型コロナウイルスとは?
新型コロナウイルスの主な感染経路は?
新型コロナウイルス感染症への治療薬は?
いろいろな検査方法がある
新型コロナウイルス感染症の後遺症は?
世界各国の新型コロナウイルス感染症の対策は?
コラム1 流行時、体調が悪くなったら?
Chapter2 新型コロナウイルスにもしかかったら
どんな症状が出る?
「軽症」「中等症」「重度」の違い
医療機関にはどうかかればいい?
感染患者を看病するとき
ケース別看護方法の具体例
共有スペースでの感染症対策
コラム2 宿泊療養をするときは
Chapter3 新型コロナウイルスに感染しないためには
個人でできる感染症対策
シチュエーション別対策法
自宅待機で必要になる備蓄品は家族構成で変わる
コラム3 感染防止7か条
できれば自宅療養はしたくないし、それ以前にコロナに感染したくない。手洗い、マスク、密回避に加え、万一の時のために知識を備えておくことも、今できる対策の一つだろう。
8月31日まで公開URL(https://bit.ly/3rSlmSu)から無料で閲覧できるので、この機会をぜひ活用してほしい。
※実業之日本社では昨今の状況を鑑み、無料公開を9月末まで延長することを決定。感染状況によって再延長する場合もあるという。(8/31加筆)
■岡田晴恵さんプロフィール
白鷗大学教育学部教授。医学博士。専門は、感染免疫学、公衆衛生学。共立薬科大学(現・慶應義塾大学薬学部)大学院修士課程修了、順天堂大学大学院医学研究科博士課程中退。アレクサンダー・フォン・フンボルト奨励研究員としてドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所に留学、国立感染症研究所研究員、日本経団連21 世紀政策研究所シニア・アソシエイトなどを経て、現職。 本書『新型コロナ自宅療養完全マニュアル』(実業之日本社)のほか、主な著書に『感染症とたたかう』(岩波新書 共著)、『知っておきたい感染症』(筑摩書房)、『どうする! ? 新型コロナ』(岩波書店)、『怖くて眠れなくなる感染症』(PHP 研究所)など。
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