新型コロナワクチンの接種が始まったものの、なかなか予約が取れない状況が続いてる。早くワクチンを打って感染の不安から逃れたいという人もいれば、副反応が心配だという人、効果を疑問視する人など、反応は様々だ。
4月15日に発売された『緊急出版 新型コロナワクチン 打つ前に知っておきたいこと』(宝島社)では、「リスクはどれくらい?」「変異株に効果は?」「ワクチンを接種したらマスクはもう必要ない?」「妊婦は打っても問題ない?」など、新型コロナワクチンに関する46の疑問にQ&A方式で回答している。
本書は、2021年3月中旬時点の情報をもとに編集されている。以下の6章構成で、手続きに関する第5章以外は、大阪大学フロンティア研究センター招へい教授の宮坂昌之さんが監修を務めている。宮坂さんの著書、『新型コロナ 7つの謎』(講談社ブルーバックス)はベストセラーとなっている。
第1章 ワクチンの基本
第2章 期待できる効果
第3章 接種する際の注意点
第4章 安全性とリスク
第5章 接種の手続き
第6章 ここまでわかった新型コロナ
冒頭には、「新型コロナワクチン『打つ? 打たない?』私たちの選択」と題し、医師・学者12人のアンケート結果を掲載。「ワクチンを接種したいか」「その理由」「政府の新型コロナウィルスおよびワクチン対策についてどう思うか」について、各自の意見が14ページにわたって詳細に記載されている。
回答者は下記の通り。
池田清彦さん(生物学者)
井上正康さん(大阪市立大学名誉教授)
岩田健太郎さん(神戸大学大学院医学研究科教授)
大木隆生さん(東京慈恵医科大学血管外科教授、対コロナ院長特別補佐)
海堂尊さん(医師・作家)
木村盛世さん(医師・元厚生労働省医系技官)
倉持仁さん(インターパーク倉持呼吸器内科院長)
近藤誠さん(近藤誠がん研究所所長)
寺嶋毅さん(東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科教授)
二木芳人さん(昭和大学医学部客員教授)
峰宗太郎さん(米国国立研究機関博士研究員)
和田秀樹さん(精神科医)
12人のうち、ワクチンを「接種したい」または「接種済み」と回答したのは8人、「様子を見てから判断したい」と「接種しない」が各2人という結果だった。
「接種したい」と回答した峰宗太郎さんは、「今回開発されたmRNAワクチンは有効で安全であることが証明されており、打つことに疑う余地なく明らかに大きなメリットがあると判断した」としている。一方、「接種しない」と答えた井上正康さんは、「日本ではすでに集団免疫が確立されている」とし、ワクチンの安全性についてもまだ十分な説明がなされていないと回答している。また、海堂尊さんは、「様子を見てから判断したい」と回答。その理由は、「もともとワクチンとは、やや勝率のいいギャンブルのようなものだと考えているから」だという。
有識者の間でもこれほど意見が分かれるのだから、一般市民が迷うのは当然のことだろう。本書の中からいくつか、ワクチンに関する疑問とその回答を紹介する。
Q. 変異株にも効果があるの?
A. すぐに「効かなくなる」とは考えにくいが、いずれ変異に合わせた調整が必要になるかも
Q. 3社(ファイザー、アストラゼネカ、モデルナ)のワクチンの中で最も効果が高いのは?
A. 発症予防効果はファイザー社がやや優勢だが、いずれも従来のワクチンに比べてきわめて有効性が高い
Q. 発熱、だるさなどは誰にでも起こる可能性があるの?
A. 一定の割合で起こるため、万一に備えて休める環境を整えて
Q. 持病があって薬を飲んでるけどワクチンを打っても大丈夫?
A. βブロッカーや抗凝固剤などは副反応の対処に違いがあるため、予診票に明記する
それぞれの質問について、回答の根拠が図やチャートを交えてわかりやすく解説されている。
ほかにも、「感染した人は接種しても意味がない?」「3社のワクチンが出揃ったら、好きなものを選べるの?」「アレルギーのある人は副反応が出やすいの?」「重症化する人、しない人は何が違うの?」など、気になる質問が並ぶ。
ワクチンを打つ、打たないは個人の判断に委ねられている。現時点でわかっている安全性とリスクを確認しておきたい。
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