介護問題、熟年離婚、遺産相続、定年、年金、病気、認知症......。
誰にも大なり小なり降りかかってくるであろう、さまざまな老後問題。ただ、何歳ごろにどんな問題が起こりやすいのかを知っておけば、事前に対策を立てることができ、被害を小さくできる場合もあるという。
老後問題解決コンサルタント・横手彰太さんの著書『老後の年表――人生後半50年でいつ、何が起きるの...? で、私はどうすればいいの??』(かんき出版)は、50歳から予想される問題をシミュレーションして「老後、絶対に知っておきたいこと」を徹底紹介したもの。
年齢はあくまで目安だが、人生100年時代の後半50年、私たちを待ち受ける現実はなかなかシビアなようだ。
■「老後の年表」(抜粋)
56歳 熟年離婚予備群に仲間入り
60歳 年収は半分。仕事は新人レベルに逆戻り
62歳 銀行の勧めで財産が「半凍結」状態に
65歳 年金をもらうタイミングを間違え損をする
66歳 がんの発症率、一気に増加
70歳 医療費急増。資産が10年で枯渇
77歳 家を失い、子ども夫婦とうまく暮らせず
82歳 認知症でまさかの資産凍結
90歳 入院、そしてそのまま寝たきり
「そのうち時間ができたら」「ウチは大丈夫」と目を背けたくもなるが......。本書はこれらの問題すべてに「解決策」を用意し、「安全に生き抜く」方法を徹底指導している。「もっと早く対策しておくんだった!」と後悔しないために読んでおきたい「リスク回避の秘密兵器」のような1冊。
本書の目次は以下のとおり。「第1部 老後の年表」では年表に沿って起こりやすいトラブルとその解決策を、「第2部 老後の生活が豊かになる3つの視点」ではトラブルを回避して人生を好転させるヒントを紹介している。
第1部 老後の年表
50歳 親の介護で「介護うつ」と「介護離職」が忍び寄る
51歳 更年期障害で、妻の長年の怒りが爆発
53歳 親が亡くなり、遺産相続の争い勃発
55歳 役職定年。働き盛りに給与もやりがいもカット
56歳 熟年離婚予備群に仲間入り
60歳 年収は半分、仕事は新人レベルに逆戻り
61歳 「親の死」より「定年退職」のショックからのうつ病
62歳 銀行の勧めで財産が「半凍結」状態に
63歳 初孫誕生で心の資産拡大
65歳 長生きしたけりゃ、年金はまだもらうな!?
66歳 がんの発症率急増
70歳 平均的な資産保有額だと10年で枯渇
72歳 わが子がニートに。娘は離婚出戻り
75歳 病気、要介護、認知症になる割合が倍増
77歳 資金作りのために自宅を安く売却。子ども夫婦との暮らしもうまくいかず...
79歳 介護施設入所が突然やってくる。施設選びで想像以上の出費
80歳 「私は騙されない」が一番騙される
82歳 認知症でまさかの財産凍結
90歳 入院してそのまま寝たきりに
100歳 長寿の秘訣は生活習慣が9割
第2部 老後の生活が豊かになる3つの視点
・自分はどうなると一番幸せか? 全ては、この「問い」から始まる
・「労働収入」「年金収入」「不労収入」の3収益を確保する
・家族との付き合い方は優先順位が案外大事
・収入アップと仕事の成功で、本当に幸せになれました?
・自分のペースに合わせて生きるのが、幸福ホルモンを上手に出す秘訣
・老後は優先順位を"逆転"させるとうまくいく!
たとえば、老後の「入り口」でもある「役職定年」の問題は55歳ごろに降りかかってくる。「役職定年」は、定年延長により増える人件費を、どうにかして抑えたい会社側の対応策として生まれた制度という。
40代から50代にかけて課長職、部長職につき、何とかやってきたと思ったら、年齢を理由に役職を解かれ、給与も大幅カット(平均は2割減程度)。なんともやりきれない話だが、企業の新陳代謝を考えるとやむを得ない部分も。
そもそも「役職定年」は、ある程度先に予想ができやすいもの。早め早めに家計の対策をしつつ、近づく老後に向けて、自分の意識も変えていくことが大切だ。
「いつ、何が起きるのかを知る」→「解決策を知る」→「老後も安心!」。老後問題を先回りして事前に防ぐ「リスク回避」の発想は、先の見えない今こそ身につけておきたいものだ。
■横手彰太さんプロフィール
1972年生まれ。老後問題解決コンサルタント。不動産会社の日本財託に勤務し、相続など資産の問題をはじめ、数多くの老後問題に遭遇し、解決に導いてきた。特に、家族信託のアドバイスに定評がある。1000人以上から相談を受け、250組以上の家族会議に参加し、のべ79億円以上の財産管理をサポート。顧客は、30億円所有の資産家、医師、元国会議員、大学教授、農業を営む人まで幅広い。メディアに多数出演。
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