本を知る。本で知る。

すいません、さっきのことなんですけど、悲しかったです/はあちゅう

大切なあなたノート

   ブロガーで作家のはあちゅうさんが企画・文・プロデュースした質問ブック『大切なあなたノート』が12月25日に祥伝社より発売された。

   発刊に際し、はあちゅうさんは次のように語っている。

   この一年、外出自粛が当たり前になる中で、家族や恋人と一緒に過ごす時間が増えることによるすれ違いと新たな絆の深まりの両方を目にしました。
   せっかくの「おうち時間」が、コロナ離婚や家庭内暴力につながるニュースを見ていると悲しくなり、自分自身や家族とより深く向き合う時間に使えれば...という想いが募り、この質問ブックの発案に至りました

はあちゅうさんがトークライブ

   2020年12月26日に『大切なあなたノート』刊行を記念して渋谷区松濤の書店「BAG ONE」で、はあちゅうさんのトークライブが行われた。

   プロデュースの裏話や、大切な人との理想的な関係の築き方など、気になるトーク内容は次の通り。

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写真は、ブロガーで作家のはあちゅうさん

―― この本を企画したきっかけは?

はあちゅう この本をつくりたいと思ったきっかけは『母の日テスト』という本でした。外出自粛が続いていて、少しでも書店さんを応援できればと、#母の日に本を贈ろう というハッシュタグを思いつきました。そのときに母の日に贈る本を探していて『母の日テスト』を知ったんです。
   母について私が知っていることを答えて、そのあと母に答え合わせをしてもらう本なのですが、やってみたら、私の知らない母の人生があるんだということに気づきました。実家にこの本を持っていって、「この問題に答えられなかったから教えてよ」と言って。もしお母さんが死んじゃってからこの本に出合っていら、すごく後悔しただろうなと。
   母に質問している時間が、一人の人間としての「母」に向き合えた気がしました。
   そんななか、コロナ離婚や家庭内暴力につながるニュースを見ていると悲しくなって、自分自身や家族とより深く向き合う時間に使えれば...という想いが募り、『母の日テスト』のいろんな人バージョンを作りたいなと思いました

―― 書いて保存できるノートですね。

はあちゅう 書き込みブックっていろいろあって流行っているけれど、書いてアルバムのように保存できるノートがないと思っていました。
   私はノート収集家で、高校や大学くらいから旅行に行くたびにその国のノートを1冊は買っているんですね。海外だとライフスタイルショップで、家具とかお洋服を売っているところで、こういう自己実現・自己理解のためのノートとかも売っているんですよ。
   ちなみにこれは『自分を落ち着かせるための52のリスト』という洋書なんですが、これも自分で書き込む形式の質問ブックです。海外では、セラピーとかカウンセリングや自己理解が日本より進んでいて、セレブとかIT起業家の人が、こういうのを本当にまじめに書き込んでやっていたりします。そこで、いわゆる「胡散臭い」感じがしない、インスタとかにも堂々と載せられる、かわいくおしゃれな質問ブックをつくりたいと思っていました
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写真は、ブロガーで作家のはあちゅうさん

―― 表紙のケーキもはあちゅうさんのアイデアですね?

はあちゅう 大切な人へのプレゼントになればいいなと思ったので、記念日を想起させるケーキでお願いしたいと編集者さんに伝えました。大きなリボンはついているけれど、何の記念日かは限定をしないケーキにしました

―― 100問の作成は、どんなところを工夫されました?

はあちゅう 実際に母や旦那にやってもらって意見を聞いたり、自分で解いてみて「これは思ったより膨らまない質問だな」とか、入れ替えたりして質問を揉みました。
   100問という質問数もけっこう大事で、しっかり考えて答えるものと、頭使わないで楽しく答えられるものとバランスよくできるように、自分で解きながら調整していきました。
   100問は正直、結構疲れると思います。一日一項目とか、それでも多いくらいだと思うんですけど、ゆっくりやってもらえたらと思います

―― プロフィール、好きなこと、人間関係などの質問があって、最後の章には「エンディングとエマージェンシー」が設けられています。

はあちゅう 「エンディングとエマージェンシー」をつけたこともこだわりのひとつです。聞きにくいことを親に聞くきっかけになれば、という思いが込めました。
このノートなら「大切なあなたに聞きたいこと」「好きなこと」のなかに聞いておきたいことがまぎれているから、プレゼントで渡すことで、親もこういうこと考えておかなきゃなと気づいてもらえたらいいなと思います。たとえば「自分が死んだら思い出の品を誰に渡したいか?」とか。
   親だけに限らず、大切な人とも話し合っておかなくてはならないことだと思うんです。若いときはこういうこと考えずに疎かになってしまいがちですが、軽い質問ノートに見せかけて、こういうことも話し合えるきっかけになるといいなと思います

―― おすすめの使い方はありますか?

はあちゅう パートナーと自分の分を1冊ずつ用意して、一緒に「ここは何書いた?」って進めていくと、お互いの答えからのインスピレーションがもらえて、いいかなと思います。
   自分で書いたり、誰かに取材する形で1冊を完成させていく形でもいいですし、読者さんが新しい使い方を切り拓いていくんだろうなと思ってます。メモの頁もあるので、マスキングテープを使ったりして自由にカスタマイズしてください
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写真は、『大切なあなたノート』(祥伝社)

―― パートナーとの理想の関係を築くための工夫は?

はあちゅう 感情100%で伝えないことを意識しています。感情をぶつけてしまうと大切なことが伝わらなくて、「なんか怒ってるな」で終わってしまうので、怒りが収まってから「さっきの悲しかったんですけど」とか、そういうふうに会話するようにしています。
   たとえば、私は、旦那が育児にダメ出しをするときに、イラついちゃいます。でも、イラついちゃったときに、「普段育児はしてないのに、たまに傍で見ているときだけああしろこうしろと言うのは、どうなんだろう」と旦那にその場で言っちゃうと、あっちもカチンとしちゃうだろうなと。だから、少し経ってから「すいません、さっきのことなんですけど、悲しかったです」と冷静に言うと相手も聞いてくれる。場所を変えたりすると落ち着いたりします。
   あとは相手の気持ちを聞くということも大事。それにはこの『大切なあなたノート』も役立つのかなと思います。お互いに思考の癖があると思うんですね。向こうからしたらただ指摘しているだけなのに、私は注意されたとか「ダメ出しされた」と思っちゃう。そういうふうになる背景とか、育った環境とか、しっかりお互い理解しておくと、感情同士でぶつかることがなくなる気がしますね。
   相手がどういう子供だったのかとか、この本の質問項目も活用してもらえるといいですね。お互いの子供のころのことを知っておくと、優しい気持ちになれると思います

―― 「大切な人のことをもっと知るための100問」なんですね?

はあちゅう はい。より深く知ることは、より大切に思えることだなと思います。
   キングコングの西野さんが、「知らないと嫌いは似ている」とおっしゃっているんですが、「嫌いだな」と思っちゃうときって、よく知らないときが多いんですよね。あとは表面だけ見ているとか。
   なので、ひとつでも「ああこれ知らなかった、知れてよかった」と思うことがこの本で聞き出せたら、この本の元が取れたんじゃないかと思います

   はあちゅうさんへの質問もたくさん出て、70分以上のトークイベントは大盛況。

   本書『大切なあなたノート』は、相手を知り、お互いをより大切に想い合うきっかけになる一冊。

   おうち時間が長くなりそうな日々の中で、ぜひ手にとってみてはいかがだろうか。

プロフィール
はあちゅう / ブロガー・作家
慶應義塾大学法学部卒。電通コピーライター、トレンダーズを経てフリーに。『「自分」を仕事にする生き方』『半径5 メートルの野望』他多数。一児の母。現在は、在宅ワークと子育ての両立に奮闘中。【twitter】【Instagram】 @ha_chu

※画像提供:祥伝社
  • 書名 大切なあなたノート
  • 監修・編集・著者名はあちゅう 著
  • 出版社名祥伝社
  • 出版年月日2020年12月24日
  • 定価本体1500円+税
  • 判型・ページ数A5判・96ページ
  • ISBN9784396617509

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