「お菓子、コーヒー、お酒...etc.やめられないのはなぜ? カラダが求める『食』と『リズム』がわかると、たちまち元気&うるおい肌に!」――。
薬剤師、漢方臨床指導士、うるおいコンシェルジュの大塚まひささんの著書『ムリなく健康体&つや肌に変わる うるおい漢方』(青春出版社)は、食べたいもの、好きな味からひも解く「自分カウンセリング」ができる一冊。
「だるさ、頭痛、冷え、便秘、痩せない、むくみ...等々、症状は同じでも、不調の原因は人それぞれ。漢方で自分をひも解き、自分に合った方法で心身をうるおすと、毎日がラクになり、いつの間にか人生が好転していきます」
大塚まひささんは大学卒業後、製薬会社でMR(医薬情報担当者)、臨床開発受託機関で抗がん剤臨床開発職を経て、漢方に出会う。自身に漢方薬を試したところ、月に鎮痛薬を80錠飲んでいた状態から2週間でゼロに。万年の不機嫌や吹き出物もなくなり、漢方のすごさを体感。本格的に漢方を学び、漢方臨床指導士資格を取得。「うるおい漢方セミナー」主宰、執筆活動も行う。株式会社Orient代表取締役。
今では「うるおい漢方」の専門家として活動している大塚さんだが、会社勤めの薬剤師だった31歳までは「乾燥の人生」を送っていた。頭痛がひどく、肌の状態は最悪で、特にひどかったのが機嫌。いつもイライラして、会社では眉間にシワを寄せっぱなしの「不機嫌なOL」。
「お肌もココロも人生も、『カッピカピに乾燥砂漠化』していました...」
漢方と出会ったきっかけは、父のがん発覚だった。父は「自然療法で治したい。漢方を勉強してくれないか」と言ったが、大塚さんは「草とか木を煎じたものだけで人の病気が治るわけがない」と、迷わず抗がん剤を勧めた。押し問答の末、父は抗がん剤治療を始めたが、そのとき父から「副作用が少しでもマシになればいいから、漢方を勉強してほしい」と頼まれ、「しぶしぶ」漢方の勉強をすることに......。
ところが、漢方に出会い、カラダの中からうるおうことで、大塚さんはカラダ、肌、ココロ、さらに人生に豊かさを感じるようになった。
具体的には「朝、気持ちよく目覚めるようになった」「思考がクリアになり、やりたいことや向かう方向が見えてきた」「明るい色の服を着るようになった」「何時間も立ちっぱなしでも大丈夫になった」などの変化があったという。
「漢方の知識を身につけて実践したことで、私は『乾燥砂漠人生』から一転して、うるおいに満ちあふれた人生を手に入れました」
本書は、漢方の基礎知識に始まり、悩み別のうるおう食事・ライフスタイル、うるおい肌をつくる漢方のライフスタイルなど、広く深く紹介している。自分のうるおっていない原因がわかる「うるおいチェックリスト」付き。
序章 鎮痛薬を手放せなかった私が、うるおうようになった理由
第1章 漢方は日本の伝統医学だった! 《漢方の基礎知識》
第2章 私たちに必要な「うるおい成分」とは?
第3章 味覚でわかる、あなたが本当に欲しているもの
第4章 対策は人それぞれ! お悩み別「処方せん」
第5章 「幸せ体質」になれる! 漢方の時間割
ここでは、漢方の考えである「人間のカラダには『五臓六腑』という生理機能があり、『気・血・水』という3つの要素で人はできている」を紹介しよう。
漢方の考えでは、自分のカラダがうるおっているのかいないのか、乾いている原因はどこにあるのかについて、「気・血・水(き・けつ・すい)」と「五臓――肝・心・脾・肺・腎(かん・しん・ひ・はい・じん)」のバランスで見ることができるという。
「気・血・水」とは、いわば「うるおい成分」。「気・血・水」がカラダの中にたっぷりとあり、さらに"めぐっている"ことが、健康で美しくいられる条件になる。
■「気・血・水」の働き
・気......目には見えない空気のようなもので、全身をめぐっている。暖かいエネルギーに満ちた原動力のようなもの。
・血......全身に栄養とうるおいを与えるもの。思考の源ともなる、栄養のある水分。
・水......全身にうるおいを与えるもの。血以外の水分。
「五臓――肝・心・脾・肺・腎」とは、食べたものや飲んだものから「うるおい成分」を作ったり全身に回したりする「うるおい製造工場」。
■「五臓」の働き
・肝......頑張り屋のソムリエ。解毒、蔵血、気めぐりのコントロール、自律神経・情緒の安定、運動機能の調整。
・心......五臓六腑のリーダー。血を全身にめぐらせる、精神活動のバランスを調える、睡眠の質をよくする。
・脾......うるおいキャッチャー。消化・吸収、栄養の運搬、血流のコントロール、カラダの内外のパーツの位置を保つ。
・肺......うるおいの自衛隊。呼吸器の働き、気の循環、バリア機能(免疫力)、水分代謝。
・腎......アンチエイジング担当。生命エネルギーの「気」を貯蔵、生殖器(ホルモンバランス)、水分代謝。
「気・血・水」と「五臓」のバランスを知り、調えることを習慣にできれば、生まれ持った性質であろうと後天的に作られた体調であろうと、変えていくことができるという。「気・血・水」と「五臓」それぞれの不調のサイン、調える方法など、詳しくは本書をご覧いただきたい。
冒頭の「食」の話にもふれておこう。甘いものが食べたくなったら、チョコレート。しょっぱいものが食べたくなったら、ポテチ......。大塚さんによると、実はそれらはカラダの中からの「ストレスマックスです」「消火器が疲れています」などのサインという。
「何かの味を異常に欲するというのは、カラダの中のどこかのバランスが乱れているサインなのです」
たとえば、「甘いもの大好き!」で「疲れたときはチョコが必要」という人は、消化力、リフトアップ力に関わる「脾」が弱っている。
「脾」が不調になると、消化器系・位置を保つことのバランスが乱れる、胃の不調、口・唇・肌に現れる、よだれが出る、梅雨や土用が苦手・湿気が苦手、顔色が黄色になる、というサインが出る。
「脾」を調えるためには、甘みのあるもの、黄色のものを食べること。カラダが本当に求めているものは、玄米、いも、栗、かぼちゃ、きのこ類、豆類など。黄色い食材や天然で甘みのある食材を選ぶのが、正解。
「カラダと対話する習慣を身につけて、カラダが発しているサインを読み取り、間違った脳内変換を正しく変換できるようになったら、本当に食べたいものを食べるだけでカラダはみるみる健康になり、うるおいで満たされて美しくなっていくのです」
評者の経験上、漢方薬はにがくて効果がわかりづらい。ただ、本書を読んで漢方の世界に興味を持った。特にこの、味覚から不調をひも解いていく考え方。スルーしがちな微妙な変化も、じつはカラダからのメッセージだと知ると、自分のカラダともっと向き合おうと思えてくる。
「今まで漢方に興味がなかった方にも手にとっていただけるように、漢方の世界への入り口となるような本にできたらと思って、執筆しました」
美と健康のためにいろいろがんばっていても、漢方からのアプローチは初めて、という人も多いのでは? 選択肢の一つとして、この機会にぜひ知っていただきたい。
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