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『公文書危機――闇に葬られた記録』(毎日新聞出版)が3刷

 安倍政権では公文書の改ざんや隠蔽、廃棄などが大きな問題になったが、その最新状況を毎日新聞の取材班が現在進行形の形で報告した『公文書危機――闇に葬られた記録』(毎日新聞出版、2020年6月刊)が3刷になっている。

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画像は『公文書危機――闇に葬られた記録』(毎日新聞出版)

 毎日新聞は全国紙の中では特に情報公開や公文書問題に熱心なことで知られている。今回の取材班は、17年夏に立ち上げられ、18年1月から紙面で「公文書クライシス」というシリーズをスタート、これまでに70本ほどの記事を報じているという。本書はそれらの取材記事がもとにしている。中心になっているのは大場弘行記者で、本書の執筆も担当している。「公文書クライシス」は19年、 優れたジャーナリズム活動に贈られる第19回「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」(公共奉仕部門)大賞を受賞している。

 本書では、最近の新しい傾向として、「第二章」で「ファイル名ぼかし」が横行していることが報告されている。役人が作り、後世に残すべき文書のファイル名がぼかされ、単なる「報告書」「文書」「綴り」「その他」などという、表題だけでは何が書かれているのかわからないファイルが増えているそうだ。一方で、国の公文書管理の問題点を指摘している現場の役人がいることも紹介されている。

 BOOKウォッチでは公文書問題に関連して、『公文書問題――日本の「闇」の核心』(集英社新書)、『武器としての情報公開――権力の「手の内」を見抜く』(ちくま新書)、『日報隠蔽』(集英社)、『監視社会と公文書管理――森友問題とスノーデン・ショックを超えて』(花伝社)、『国家と記録』(集英社新書)なども紹介している。

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