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月額1万8千円で暮らす"山奥ニート"の生き方

 山奥での生活を記録した5月21日発売の書籍『「山奥ニート」やってます。』(光文社)の重版が決定した。

写真は、『「山奥ニート」やってます。』(光文社)
写真は、『「山奥ニート」やってます。』(光文社)

 『「山奥ニート」やってます。』(光文社)は、都会での引きこもり生活に別れを告げ、山奥でニート生活を送る著者・石井あらたさんの5年間を記録した書籍。石井さんは和歌山県の山奥で男女十数人とともに共同生活を営んでおり、その経験をもとに本書は執筆された。

写真は、石井さんが暮らす山奥の集落(提供:光文社)
写真は、石井さんが暮らす山奥の集落(提供:光文社)

写真は、石井さんたちが共同生活を営む場所(提供:光文社)
写真は、石井さんたちが共同生活を営む場所(提供:光文社)

 以下は、本書「はじめに」より引用。

僕は山奥ニートです。山奥で暮らしているニートだから、山奥ニート。ニートと言っても、親に養われているわけじゃありません。自分の生活に必要な最低限のお金は、自分でなんとかしています。でも、定職に就いていないし、学生でもないし、職業訓練も受けてません。フリーターやブロガー、ましてや作家と名乗るには、働いていない日が多すぎます。ほとんどの日をニートとして過ごしているから、ニートと自称して差し支えないかと思います。

 僕が住んでいるのは、最寄り駅から車で2時間の山奥です。もちろん周りにお店はありません。徒歩圏内に他に住んでいるのは5人だけ。それも爺さん婆さんばかりで、平均年齢は80歳を超えます。そんな限界集落に、平屋建ての木造校舎があります。小学校として使われていたのはもう何十年も前のことです。ここに、15人の若者が暮らしています。年齢は10代から40代。女性もいます。僕はそのうちのひとりに過ぎません。全員、元はここに縁もゆかりもなかった人たちで、全国各地から別々に集まってきました。
(中略)
 一緒に暮らしている14人には、どこかしら僕と似たところがあるように思います。みんな暇だから、遊び相手には事欠きません。すべてを捨てたつもりだったのに。やっていることは、ひきこもりだったころと同じなんです。アニメ見て、ゲームして、SNSして、寝る。ある意味では、僕はまだひきこもったままです。村おこしとか、ビジネスを立ち上げるとか、そんな能動的なことはしません。ただ、ひきこもる範囲は自分の部屋から、この集落に広がりました。
(中略)
 この本は、そんな僕らの今をどこかに記録しておこうと思って、書いたものです。
写真は、自然のなかで遊ぶ
写真は、自然のなかで遊ぶ"山奥ニート"たち(提供:光文社)

 自給自足やリモートが注目されている今の世の中に、新たなライフスタイルを提示する一冊だ。本書を読むことで、生き方の一つの可能性を知ることができるだろう。

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