『わたしたちを忘れないで―ドイツ平和村より』(ブックマン社)や『らいふ 』(講談社)など、福祉と向き合った作品を発表してきた女優の東ちづるさんが、新型コロナウィルス感染拡大防止の活動でマスクのおすそわけプロジェクトに参画している。
東さんは、一般社団法人Get In Touch(ゲット・イン・タッチ)の代表を務めている。Get In Touchは、誰も排除しない「まぜこぜの社会」をめざしてスタートさせた一般社団法人だ。
新型コロナウィルスの影響で福祉現場のマスク不足が深刻化する中で、Get In Touchは「#福祉現場にもマスクを」プロジェクトの立ち上げに参画。4月22日に発足し、5月14日時点で53,000枚を超えるマスクを福祉現場に届けている。
「おすそわけしマスク」は、マスクを55枚買って、そのうち5枚をおすそわけする仕組み。
購入者に届くのは、55枚中50枚のマスク。あとの5枚は、おすそわけで「#福祉現場にもマスクを」プロジェクトを通じて、福祉現場に届けられる。マスクを買うことで、誰かの力になることができる取り組みだ。
合言葉は「わたしのマスク、おすそわけしマスク」だという。日本のおすそわけ文化をいかしていくプロジェクトだ。寄付だと気が引けるという方でも、おすそわけなら取り組みしやすいかもしれない。
「おすそわけしマスク」は、一般社団法人障害攻略課、NPO法人D-SHiPS32、一般社団法人Get in touch、株式会社ヘラルボニー、株式会社中部日本プラスチックが参画しているプロジェクト。元NHKの小国士朗さんがプロデュースしている。
「わたしのマスク、おすそわけしマスク」という方は、「おすそわけしマスク」のWEBサイトからおすそわけできる。
当プロジェクトのスタートに当たり、東さんは次のようにコメントしている。
コロナ禍で社会の分断が深かまる一方で、つながることの重要性も気づいてきています。
「おすそわけしマスク」は「困ったときはお互い様」という、つながるマスクでもあります。これを機に、物理的な距離・フィジカディスタンスは取りつつ、社会的・ソーシャル的にはどんどんつながり、あらゆる全ての人が幸福になる権利=福祉という考えが広がればと願います。
東さんは「Get In Touch」での取り組みだけでなく、以前から福祉分野の支援活動を行っている。
東さんはドイツ国際平和村を訪ね、子どもたちとの交流を綴った作品も発表しており、冒頭で紹介した『わたしたちを忘れないで―ドイツ平和村より』(2000年、ブックマン社)や『らいふ』(2010年、講談社)などがそれだ。ドイツ国際平和村の話では、爆弾、特に地雷の恐ろしさを痛感せずにはいられない。
評者は『わたしたちを忘れないで―ドイツ平和村より』について、刊行してから数年後に拝読する機会があり、当時、東さんにインタビューもお願いしている。ドイツで実際に目にしてきた情景を語る東さんの心のこもった眼差しは、今でもなお記憶に深い。東さんの福祉的な取り組みは長きにわたっており、決して最近のことではないのだ。
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