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『あおいアヒル』が第67回産経児童出版文化賞で、翻訳作品賞

 主婦の友社が2019年9月に刊行した絵本『あおいアヒル』が、第67回産経児童出版文化賞で、 翻訳作品賞を受賞した。 韓国で活躍中の著者、リリアさんが描く家族の世界観を、 絵本作家で翻訳家の前田まゆみさんが日本へ紹介した絵本だ。

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写真は『あおいアヒル』(主婦の友社)

 成長したワニがアヒルを抱えて回想する場面ではじまるこの絵本は、認知症の祖母と過ごす家族との時間の中で感じた、著者の体験をもとに描かれている。ある日、アヒルは青い池で赤ちゃんワニと出会い、ママになる。やがてワニが大きく頼もしく成長したある日、アヒルの記憶が少しずつ消えはじめた...。そんな日々の中でも、ワニとアヒルの心の奥底にある、ゆるがない愛情が紡がれていく。

 子どもが成長すると、いつの間にか親子の役割が変わる瞬間が訪れる。この絵本には、親から子、子から孫へ、世代を繋いでいく私たちの姿が描かれている。

 著者のリリアさんは、ブエノスアイレスで生まれ育ったのち、韓国に渡り、子どもの絵本にイラストを描く。本だけでなく、多方面で活躍している。絵本の中の世界を想像して描くのが幸せだという。自分自身がウサギ、鳥、クマ、オオカミ、ワニ、ヘビ、リスだけでなく、 時には山や川、木、春夏秋冬に変身できる絵本の世界が、いちばん楽しいそうだ。 本作は、 認知症の祖母を見守る家庭で育つ中で、将来の両親を想い、ワニのように強く優しく見守りたいと描いた。

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写真は著者のリリアさん
  

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