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京都大の望月教授が解いた数学の超難問、「ABC予想」ついに学会誌掲載へ

 数学の超難問といわれる「ABC予想」を京都大学数理解析研究所の望月新一教授(51)が証明したとされる論文が、ついに国際的な数学誌に掲載されることになった。京都大が2020年4月3日発表し、大手マスコミ各社が報じた。

 望月教授は12年8月にこの問題を解いたことを明らかにしていたが、論文を掲載する数学誌がなく、謎の証明となっていた。

 BOOKウォッチでは20年3月18日、このことを論じた加藤文元・東京工大教授の著書『宇宙と宇宙をつなぐ数学』(株式会社KADOKAWA)を紹介したばかり。「ABC予想」が数学の学会誌にこれまで掲載されない理由について は、「理論がとても難解で、論文掲載の事前審査が進まないから」とみられていた。

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写真は『宇宙と宇宙をつなぐ数学』(株式会社KADOKAWA)

 加藤教授は今回、毎日新聞の取材に、「(望月さんは)普段は気さくで『普通』の人。ただし、特に数学に関しては、物事を非常に深く見つめ考える天賦の才能を持った人」「(望月教授が提唱し、ABC予想を証明した)IUT(宇宙際タイヒミューラー)理論は、数学界の『革命』と言っていい。ノーベル賞が何個あっても足らないほどの成果だ」とコメントしている。

 朝日新聞は「ABC予想が証明されると、スピロ予想やフライ予想、ボイタ予想などさまざまな数学の難問が一挙に解決するとされる。証明に350年以上かかった『フェルマーの最終定理』も、ABC予想を発展させると、数ページで簡単に証明できてしまうほどだ」と報じている。

 BOOKウォッチでは数学関係で、これまでに『完全版 天才ガロアの発想力』(技術評論社)、『小数と対数の発見』(日本評論社)、『数学する身体』(新潮文庫)、『ニューヨークタイムズの数学』(WAVE出版)『はじめまして数学 リメイク』(東海大学出版部)など多数紹介している。

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