神奈川県逗子市で2020年2月5日、道路脇の斜面が崩れ、現場を通りかかった18歳の女子高校生が下敷きになって亡くなった。その後の調べで、この斜面は、土砂災害の危険性がある「土砂災害警戒区域」に指定されていたことが分かった。
この事故のニュースで、専門家としてコメントしていたのが、釜井俊孝さん。京都大学防災研究所教授で斜面災害研究センター長。すでに昨年出版した著書『宅地崩壊』(NHK出版新書)で、都市部における土砂崩壊のリスクを警告していた。
都市の平野部は平らに見えても元々は凸凹がある。戦後は丘の屋根部分や崖をブルドーザーで削り、谷を埋めて地ならしをして宅地化してきた。山の手の宅地造成地、あるいは郊外のニュータウンでも「基土」と「盛土」の部分が入り混じる。脆弱な地盤が少なくないのだ。
1995年の阪神淡路大震災では約200か所で宅地崩壊が起きたが、このうちの半数が「盛土地すべり」だったという。
丘陵を削って宅地開発したところが多い神奈川県では、あちこちに危険地区がある。横浜市では精密な「盛土の分布図」(宅地造成履歴等情報マップ)が作成されているという。釜井さんには『斜面防災都市』などの著書もある。
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