読むべき本、見逃していない?

スペイン風邪第2波の致死率は、第1波の10倍だった!

新型コロナはいつ終わるのか?

 新型コロナウイルス禍にも関わらず、今春、大半の雑誌はいつも通りに出版され続けた。次々と新刊書も出る。日本の出版業界のエネルギーには脱帽せざるを得ない。特に感心するのが、コロナ禍とほとんど同時進行で、関連の単行本が次々と出ることだ。雑誌の特集よりも手間がかかるはずだが、ものともしない。

 本書『新型コロナはいつ終わるのか?』(宝島社)もそのひとつ。編集は新型コロナ研究班。新聞社の論説委員やライターらによる取材チームが、コロナに関する様々な疑問を専門家に聞いてまとめたものだ。

コロナが終わるのはいつなのか

 全体は下記の5章に分かれている。

 第1章 新型コロナはいつ完全終息するのか?
 第2章 無症状感染と「集団免疫」の基礎知識
 第3章 ワクチンと治療薬は、本当はいつできるのか?
 第4章 コロナ後に日本も世界もここまで変わる!
 第5章 もしコロナが終わらないと日本はどうなる?

 研究班の質問に対し、「第1章」は岩田健太郎(神戸大学病院感染症内科診療科長)、「第2章」は髙田礼人(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター教授)、「第3章」は岡本宗史(埼玉みらいクリニック院長)、「第4章」は大澤真幸(社会学者、THINKING「O」主宰)、「第5章」は熊野英生(第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト)の各氏が回答している。患者数などのデータは2020年5月22日現在となっている。

 日本は緊急事態宣言が解除され、いったんは感染が収まったかに見える。本当にピークは越えたのか。感染症の専門家、ウイルスの専門家、そして医師、社会学者、経済学者がウイルスと世界の今後を解説――というのが本書の枠組みだ。

 どうなったら新型コロナウイルスは終わるのか。いつになったら、コロナ前の生活に戻れるのか。もう戻ることは不可能なのか。そして、そもそも終息しつつあると言われている中国も本当に終わったのか? ワクチンはいつできるのか。世界経済はどうなるのか。コロナが終わるのはいつなのか・・・。

「アマゾンのひとり勝ち」

 コロナ禍は現在進行中でもあり予断を許さない。「第2波」が発生すれば、さらに数百万人規模が死亡する事態もあり得ると、WHOが想定していることが報じられている。本書も「スペイン風邪の第2波の致死率は第1波の10倍となった」ことを念頭に置いている。医学的なこともまだよくわかっていないし、日本はともかく、海外では拡大が続いている。今後、世界の思いもよらない場所で何か新しい動きが起きることも想定外ではない。

 岩田氏は「ワクチンや治療薬での根絶は難しい」「長い付き合いになる」との見方を示し、髙田氏は「感染力の強さが恐ろしい。第二波、第三波に向けて準備を」と訴える。岡本氏は薬の効果について、「既存薬のレムデシビル、アビガン、ロピナビル・リトナビルは『?』、シクレソニドは期待したい」。

 多くの人が仕事がらみで関心があるのは「第5章」だろう。「生き残る業種、崖っぷちの業種は?」という問いの答えは明確だ。「アマゾンのひとり勝ち。対面業種はますます苦しくなります」。飲食業で生き残るのは「いち早く宅配などに取り組んだ店」。

 今後の経済見通しについても解説している。「カネのばらまきで物価が上がるのか」という疑問には、「インフレにはならず、デフレが今後も続き物価は下がります」。

 そうなると、どう考えても景気回復はおぼつかない。株価も勢いを欠くに違いない。政府資金による「大盤振る舞い」の回収はどうなるのか。結局のところ、後の世代への付け回しになるのか。別の意味で心配が尽きない。

 BOOKウォッチでは関連で、本書の回答者、岩田氏の『新型コロナウイルスの真実』 (ベスト新書)や髙田氏の『ウイルスは悪者か』(亜紀書房)を紹介ずみだ。このほか「無症状病原体保持者」を扱った『病魔という悪の物語――チフスのメアリー』(ちくまプリマー新書)、スペイン風邪では、『流行性感冒――「スペイン風邪」大流行の記録 』(東洋文庫)、さらには2年前に大不況を予言していた『2020年世界大恐慌――資産家は恐慌時に生まれる』(第二海援隊)なども紹介している。



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朗読:祐仙勇 朗読:真木よう子 朗読:榊原忠美 朗読:橋本愛

  • 書名 新型コロナはいつ終わるのか?
  • 監修・編集・著者名新型コロナ研究班 著
  • 出版社名宝島社
  • 出版年月日2020年6月10日
  • 定価本体1100円+税
  • 判型・ページ数B6判変型・224ページ
  • ISBN9784299006189

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