読むべき本、見逃していない?

37歳で「婚活滝修行」はじめました

結婚できるかな?

 新型コロナによる離婚、結婚式延期・中止、オンライン結婚式など、結婚にかんする報道を目にする機会が増えた。このコロナ禍を、自分の人生をいま一度じっくり考えるチャンスと捉えている人は多いだろう。

 そこで今回は、結婚が人生の選択肢の一つに挙がっているものの、そもそもどうやって出会ったらいいのかわからない......という人にピッタリの一冊を紹介したい。イラストレーター・杉浦さやかさんの本書『結婚できるかな? 婚活滝修行』(祥伝社黄金文庫)だ。

 「この"修行"で運命、変えてみせます!」――。37歳で婚活をはじめて結婚するまでの2年半を、たっぷりのイラストと文章で綴った婚活エッセイ。著者がチャレンジした修行の数々を赤裸々に公開している。

「この機会に、本気で」

 著者の杉浦さやかさんは、1971年生まれ。日本大学藝術学部卒。在学中から仕事を始め、独特の視点から描くイラストエッセイが人気を集める。2017年、姫路市立美術館で展覧会を開催。『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)、『すくすくスケッチ』(祥伝社)など著書多数。

 著者は「独身同業者に囲まれ、イマイチ危機感の足りない独身イラストレーター、37歳」だったという。20代をあまりに能天気にのびのび過ごし、30歳を過ぎた途端、なんだかしんどい恋愛ばかり。いよいよ40代の壁が見えて「いつまでも、自分を探している場合ではないッ」と思っていたとき、「恋愛」をテーマにした雑誌連載の話が舞い込んだという。

 「よくも悪くも、今一番頭の中を占めているのは『恋愛&結婚』という人生の一大事。この機会に、本気で取り組んでみようではないか」

 こうして、雑誌「Feel Love」(祥伝社)の発刊に合わせた、4か月に一度のゆっくりペースの修行がはじまった。なお、本書は2012年に祥伝社より刊行された『レンアイ滝修行』を改題し、加筆・修正の上、18年に文庫化したもの。

婚活に幕を下ろし、いざ結婚へ

 本書の目次は以下のとおり。

■レンアイ滝修行
1 決意の滝修行/2 秋の占いまつり/3 レンアイ・スキルアップ/4 あいのり 田植え編/5 決意の神頼み/6 迷走時代/7 王子様? がやってきた/8 検証! 出会いのとき

■ケッコン式滝修行
1 ブライダル入門/2 結婚式の華/3 花嫁のヒミツ/4 手づくりしよう/5 WEDDING DAY!

 1つ目のパート「レンアイ滝修行」は、自己啓発セミナー、出会いイベント、自分磨きの世界を取材を通して覗いている。「まわりの諸先輩方から、なれそめ話を根掘り葉掘り聞いたり、自問を重ねたり。自分なりの『婚活』に取り組んだ、1年半のお話です」。

 ここでは、あらゆるイベントに参加して出会いの可能性を探っている。本書で紹介しているのは約10年前のものだが、最近ではオンライン婚活なども登場し、出会いの場はますます多様化している。

 2つ目のパート「ケッコン式滝修行」は、「フルスピードの巻き返しで、突如幕を下ろしたレンアイ滝修行」により入籍した著者が、結婚式に向けて準備に奔走する。「ふたをあけてみたら、やること山積み! 楽しくも激烈な日々がはじまりました」。

 ここでは、ブライダルフェアへの参加にはじまり、ドレス試着、ヘッドスパ&ネイル、エステ、さらにペーパーアイテム、記念品、デコレーションの準備まで、結婚式当日までにやることを順を追って写真入りで紹介している。著者の職業柄だろう、手づくりアイテムが多い。手の込んだ、個性的な式の様子が伝わってくる。

「必死になるのをやめたら出会えた」

 どんな婚活のスタイルがあるのか、どんな結婚式の準備が必要なのか、こうした実践的な情報とともに、出会い、恋愛、結婚にかんする実感のこもった言葉が読んでいてすんなり入ってくる。

 「レンアイ滝修行」の「8 検証! 出会いのとき」では、著者がまわりの既婚女子30人にアンケートをとり、自身の経験もふまえてこう書いている。

 「共通する意見が、『必死になるのをやめたら出会えた』。私の場合も、とことん必死になってあがいたのち、結果として力が抜けたところで流れが変わったもんね。......がんばりすぎている人は少し力を抜く、何もしていない人は生活や行動を変えてみる、というのがよいのかも」

 また、現夫の第一印象は「タイプじゃなかった」という人が圧倒的、という結果も。

 「第一印象が変わり、今まで付き合った人と何が違って結婚したのか。それは『タイミング』と『素の自分でいられる』こと。......つくづく、『相性』につきます」

 実際、タイミングはかなり重要だ。ちょっとでも出会うタイミングがずれていれば、この人とは結婚しなかっただろう......と思っている既婚者は多いのではないだろうか。

 著者が以前「合う人に出会えない」とボヤいたのに対し、バツ2の友人が「合う人なんて、いないよ」と言い放ったという。「"合う"なんて幻想で、お互い努力して合わせていくのが夫婦」だと。

 著者は「あとがき」にこう書いている。

 「『恋愛』ほど自分がみっともなくなるものもありません。同時に、人生を彩るそれは楽しいもの」

 「ゴールだと思い込んでいた結婚も、『ずっと一緒に生きていく』には相当の努力が必要なことでした」

 本書は、試行錯誤、迷走しながらこんな婚活、恋愛、結婚をした、という著者のありのままの体験を綴っている。結婚へのとっかかりを模索している人にとって、これまでの考え方や行動をちょっと変えてみようかと思うきっかけになり、既婚者にとっては、こんな段階を経てきたんだなと、忘れていた二人の時間を思い出すきっかけになるだろう。

  • 書名 結婚できるかな?
  • サブタイトル婚活滝修行
  • 監修・編集・著者名杉浦 さやか 著
  • 出版社名株式会社祥伝社
  • 出版年月日2018年6月20日
  • 定価本体700円+税
  • 判型・ページ数文庫判・136ページ
  • ISBN9784396317348

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