いま20代の若者たちが直面している状況は、かつてないほどに厳しい。
苦しい就職戦線をくぐり抜けてようやく入社できた会社さえも、苦境にあえいで先が見えない時代だ。
上司や先輩も自分自身の仕事に追われ、後輩たちを育てる余裕さえない。
目標となる指針もなく、どこに向かって進めばいいのかも分からなくなってしまった20代から聞こえてくる声は、「将来が見えない」「給料が上がらない」「仕事が面白くない」「上司とソリが合わない」「自分に自信が持てない」といった悲痛な想いにあふれている。
そうした20代が抱える不安や悩み吹き飛ばし、この不平等な社会を生き抜く術を「仕事の授業」としてまとめたのが本書だ。88に分かれた講義の一つ一つで、さまざまな人生の壁を乗り越えて、成功に向かう道を指し示す。
講義を行うのは、元祖ヤンキー先生と呼ばれる人気予備校講師の吉野敬介氏。
かつて暴走族の特攻隊長として荒れていた過去を持ち、「アルファベットの順番すら言えないような、とんでもないバカだった」と吉野氏はいう。
そこから死ぬ気で人生を巻き返して20代で予備校のトップ講師に成りあがり、成功をつかみ取った著者だからこそ、その言葉はリアルな実感と重みに満ちている。
「世の中ってのは残念ながら、決してキレイゴトだけでは渡っていけない。
実社会に出てみると、考えていた以上に大人の世界は結構汚い。その現実に直面して愕然とする日も、社会人をやっていればいつかは必ず訪れることになるはずだ。
だが絶対に、その程度のショックでキミがくじけてしまってはいけない。
これを汚いと感じ、嫌悪感を抱くことのできる人間がしっかり生き残っていかないと、社会は何も変わらないからだ」(本文より抜粋)
どうしようもない社会の最底辺にいたヤツだって、頑張ればここまでやれる。手遅れなんてことはない。
著者の熱い想いに満ちた仕事の授業は、20代のみならず、これから社会に出る10代や30代以上の社会人にとっても必ず得るものがあるはずだ。
書名:20代で受けておきたい仕事の授業
著者:吉野敬介
発売日:2012年3月27日
定価:1,050円(税込み)
発売元:小学館集英社プロダクション