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介護は「親孝行」しようとするとうまくいかない? 太田光ら語る「親不孝」のすすめ

わたしたちの親不孝介護

 「親孝行しなければ......」と、介護を背負い込んでいる人も多いのでは。むしろ、「親不孝」でいたほうがうまくいくかもしれない。

 2023年11月23日に、『わたしたちの親不孝介護 「親孝行の呪い」から自由になろう』(日経BP)が発売された。NPO法人「となりのかいご」代表の川内潤さんが、爆笑問題の太田光さんら8人に、それぞれの介護体験についてインタビューしている。

『わたしたちの親不孝介護 「親孝行の呪い」から自由になろう』川内潤 著(日経BP)
『わたしたちの親不孝介護 「親孝行の呪い」から自由になろう』川内潤 著(日経BP)

 本書は、2022年に発売された『親不孝介護 距離を取るからうまくいく』(日経BP)の続編だ。前著では、川内さんの「介護は、親との距離を取るほうがうまくいく」「親孝行のつもりで介護をすると、親も自分もだんだんつらくなる」という考え方が紹介された。これをもとに、本書ではさまざまな業界で活躍する8人が、自らの「親不孝介護」や「親孝行介護による失敗」を語っている。

 太田光さんは、2016年に母・瑠智子さんを見送った。母の好きだった越智吹雪を聴かせながらの看取りだったが、自身は「親不孝」だったという。どのような考え方で親の最期に臨んだかを話している。

 また、『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」で知られる歌手の高橋洋子さんは、介護業界で働いていた時期の経験を語っている。他のインタビューでは、介護休暇制度についての話や、キャリアウーマンの体験談も。仕事との両立に悩んでいる人のヒントにもなりそうだ。

〈内容〉
【愛する母との別れ】
●爆笑問題 太田光さん
「ああ、母はこう死ぬのか、見事だ」

【人事担当者にとっての社員の介護】
●株式会社ブリヂストン 人財育成部 上席主幹 増谷真紀さん(取材当時)
「介護休暇制度が会社員に誤解を与えているかもしれない」

【「老化」は病気ではない】
●医療法人社団悠翔会理事長・診療部長 佐々木 淳さん
「年をとったらハンバーガー! 老後も介護も常識を疑え」

【夫が母の介護に熱中するリスク】
●M女史・50代キャリアウーマン(体験談)
「『勝ち組夫』の介護への暴走、妻はどう止める?」

【「親"孝行"介護をしてしまった】
●スウェーデン語翻訳者 畑中麻紀さん
「深夜2時に電話してくる父を、娘はどうすべきか」

【認知症に哲学で立ち向かう】
●ノンフィクション作家 髙橋秀実さん
「認知症は病気というより社会の"約束事"」

【全権を委任されて親の介護に当たる】
●ファイナンシャルプランナー 深田晶恵さん
「人はいつか死にます」から、FPも介護も始まる

【介護体験は子どもたちの人生への最後のプレゼント】
●歌手 高橋洋子さん
「残酷な天使のテーゼ」歌手の介護への道

■川内潤さんプロフィール
かわうち・じゅん/1980年生まれ。老人ホーム紹介事業、外資系コンサル会社、在宅・施設介護職員を経て、2008年に市民団体「となりのかいご」設立。2014年に「となりのかいご」をNPO法人化、代表理事に就任。ミッションは「家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ虐待してしまうプロセスを断ち切る」こと。誰もが自然に家族の介護に向かうことができる社会の実現を目指し、日々奮闘中。著書に『もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法』。


※画像提供:日経BP


   
  • 書名 わたしたちの親不孝介護
  • サブタイトル「親孝行の呪い」から自由になろう
  • 監修・編集・著者名川内 潤 著
  • 出版社名日経BP
  • 出版年月日2023年11月23日
  • 定価1,760円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・280ページ
  • ISBN9784296203482

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