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紫式部の日記を令和の30代OL風に訳してみたら

紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』

   来年のNHK大河ドラマの主人公は、誰もが知っている紫式部。実は彼女、人付き合いが苦手な引きこもり作家だった――?

   2023年11月8日『紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』』(扶桑社)が発売された。

『紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』』堀越 英美 著、山本淳子 監修(扶桑社)
『紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』』堀越 英美 著、山本淳子 監修(扶桑社)

   本書は、『エモい古語辞典』などの著書がある堀越英美さんが、古典の『紫式部日記』の原文を令和の30代OL風の言葉でわかりやすく訳したもの。

   人付き合いが苦手なひきこもり作家だった紫式部。「源氏物語」のブレイク後に後宮の女房にスカウトされるも、同僚から冷たく扱われて浮いてしまう。処世術を編み出したり、愚痴をこぼしてみたり、今の私たちと変わらない過ごし方をしていたようだ。

   そんな紫式部が内面をさらけだした『紫式部日記』からは、人知れず「生きづらさ」に悩んでいたことがうかがえる。

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   2024年大河ドラマの副読本、日本史や古文に親しむための導入、創作の参考など様々な目的で読むことができる本書。目次は以下の通りだ。

第一章 初マタ中宮様とバタバタ藤原家
第二章 出産レポ
第三章 産後はパーティー三昧
第四章 帝が土御門邸にやってきた
第五章 誕生五十日目のパーティーは大波乱
第六章 中宮様、宮中へ帰る
第七章 平安京ガールズコレクション(五節の舞姫)
第八章 年の暮れに大事件勃発
第九章 女房たちについていろいろ言いたい
第一〇章 私もたいがいなんですが
第一一章 浮かれてはいられないお年頃
第一二章 中宮様、二児の母になる

   超有名な平安の作家でも、令和の女性と同じ感覚を持っていたことに親しみがわく。読んで理解を深めれば、来年の大河が楽しみになりそうだ。

■堀越 英美さんプロフィール
ほりこし・ひでみ/1973年生まれ。文筆家。早稲田大学第一文学部卒。著書に『エモい古語辞典』(朝日出版社)、『女の子は本当にピンクが好きなのか』(河出文庫)、『モヤモヤしている女の子のための読書案内』(河出書房新社)、『不道徳お母さん講座』(河出書房新社)、『スゴ母列伝』(大和書房)など。訳書に『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界』(河出書房新社)、『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』(晶文社)などがある。

■山本淳子さんプロフィール
やまもと・じゅんこ/京都先端科学大学教授。京都大学文学部卒業。高等学校教諭等を経て、1999年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都学園大学助教授等を経て、現職。『源氏物語の時代』(朝日選書)でサントリー学芸賞を受賞する。他の著書に『紫式部ひとり語り』(角川ソフィア文庫)などがある。


※画像提供:扶桑社


  • 書名 紫式部は今日も憂鬱 令和言葉で読む『紫式部日記』
  • 監修・編集・著者名堀越 英美 著、山本淳子 監修
  • 出版社名扶桑社
  • 出版年月日2023年11月 8日
  • 定価1540円(税込)
  • 判型・ページ数四六判、224ページ
  • ISBN9784594095581

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