念願の新居への引越しのはずが...
隣の家から照らされる謎の光。
ただのご近所トラブルではない、意外な真実が...!!
サル山ハハヲさんの『隣の家からのチカチカが止まらない話』(KADOKAWA)は、念願のマイホームに引っ越した一家が隣の家から謎の光を照らされるという、ご近所トラブルからはじまる物語。
想像のつかない展開を見せる本作は、著者に起こったご近所トラブルにいくつかの思い出を織り交ぜて描いたものだという。
立山家は、ワーママの春奈、夫の冬樹、娘のみのりの3人家族。半年前に念願のマイホームを購入した。前の住人が急に転勤することになり、完成してわずか1年で売りに出された一軒家だった。
治安のいい地域で、建物はオシャレ。不動産会社の営業マンから「こんな好条件の物件めずらしいですよ」と熱心に勧められた。立山夫妻もたいそう気に入り、この家を選んだ。ところが......
最近、家に帰るのが憂鬱でしかたない。隣の家の窓から、謎の光を照らされるからだ。春奈がみのりを連れて帰宅するタイミングで、駐車場に向かってチカチカチカチカ......。普段からなるべく静かに過ごすようにしているが、なにか気に障ったのだろうか。
冬樹に相談しても、まるで他人事のような態度。警察に動画を見せても、「よくあるご近所トラブル」で片づけられる。役所に行っても、解決の糸口すら見えない。もしエスカレートしてなにかあったら......と怖くなった春奈は、昔から住んでいるご近所さんに聞いてみた。
すると、隣の家には引きこもりの30代の息子がいて、以前から近隣住民にライトをチカチカ点滅させているという。立山家の前の住人はそれが原因で引っ越したが、不動産屋はその事実を隠して家を売った。春奈たちは黙されたのだ。
「怖い...なんで私がこんな目に...!」
悔しくて、怖くて、腹が立った春奈は、ついに反撃に出る。自分も隣の家にライトをチカチカさせてみたのだ。どういう反応がくるかとドキドキしていると、いつもよりゆっくりしたチカチカが返ってきた。数日後、動画を見せた友人があることに気づいた。
「ねぇ...これもしかしたら モールス信号かも...」
もとは無線通信で会話するためのもので、音や光でも表現できるモールス信号。隣の家からのチカチカはモールス信号で、"SOS"を発信していた!?
春奈と友人は、符号表を見ながらモールス信号を送ってみた。すると、引きこもりの息子と思われる人物との意思疎通に成功。あんなに怖がっていた相手なのに、コミュニケーションをとれたことが嬉しかった。
もしかしたら、謎の光は嫌がらせではなく、なにか伝えたいことがあったのかもしれない。春奈はこれまでのチカチカ動画を見返し、時間をかけて解読してみた。するとそこに、春奈の日常を揺るがす衝撃のメッセージが......。
こんなにも読む前後で印象がガラッと変わる作品はめずらしい。想像しただけで身の毛がよだつ、不気味な隣人に隠された真実とは――?
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?