「親子は対等であり、子育てとは、親自身を育てる行為でもある」。そんな信条に裏付けられた、これからの時代の育児バイブルが誕生した。
『育児=育自』(秀和システム)は、子育てに関する講演会で人気の著者・OTSUさんが、小学校低学年までに押さえておきたい子育てのポイントを伝授する1冊だ。
現在は外食産業でフードビジネスコンサルタントとして活躍するOTSUさん。特に人材教育の分野で高い評価を受けていて、昨今では、大人の育成に限らず子育てに関する講演オファーが殺到。講演会やセミナーは即座に満席となる人気ぶりだ。
10代で経営者として独立して以来、何人もの一流サービスマンを育ててきたという著者の、枠にはまらない教育の話が多くの人に支持されているのも頷ける。
OTSUさんによれば、変化の激しい時代に必須なのは「変化に耐えうる人間になること」。そのために重要なのが、たくさん失敗を経験できるか、そして思い立ったときにすぐ行動が起こせるかの2点だという。
子育てにおいて親が心がけるべきは、子どもがやりたいと言い出したことはすぐやれるようにすることだ。さらに、そのようにして何かに挑戦したときも、結果に固執しないことも大切だという。
これは、「努力と結果は比例しないが、経験と結果は比例する」というOTSUさんの考えからだ。
「一般的には努力を重ねた先に成功が待っているとか、成功する可能性があるとされていますが、はたしてそうでしょうか?
また、努力というと、歯を食いしばってがんばるようなイメージもありますが、これもどうでしょうか?」
本書で例に挙げられているのが、大谷翔平選手だ。メジャーリーグで大活躍する彼の姿を見たとき、多くの人は、血のにじむような努力を重ねてきたと想像するのではないだろうか。
けれどもOTSUさんは、大谷選手本人からすれば、苦しくてつらい努力をした感覚はなく、好きだからやっているだけという感覚なのだろうと分析している。
実際に、大谷選手の次のような発言を紹介している。
「自分自身に才能があるとは思っていません。あるとすれば、好きなことをがんばりきれる才能、でしょうか。野球よりおもしろいことは見つからない」(大谷選手)
苦しい努力を必死で重ねるよりも、自分が本当に好きで向いていることに対しては、自然とはまっていく。これは子どもも同じだという。
「何よりもまず、自分の子どもに向いていることは何か、好きなことは何か。それを見つける手伝いをするのが親の仕事だと考えています」
子どもに向いていることや好きなことを見つけ、本人がやりたいと言い出したことはできる限りやらせてあげる。それがうまくいくかどうかは気にしすぎない。
この親の態度こそが、子どもがたくさんの失敗を経験し、思い立ったらすぐに行動する力を育む。その結果、変化の激しい時代にも適応し、たくましく生き抜いていける人間へと成長していくのだろう。
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