「レシートには、暮らしが詰まっている」
そう感じるようになったのは、いつからだろう。
店名や日付、品名、金額が書かれた一枚の紙切れ。わたしにはこれが、一人ひとりの暮らし、そして人となりが詰まった記録に見える。
(「はじめに」より)
ライターの藤沢あかりさんは、ECサイト「北欧、暮らしの道具店」で、レシートを切り口にその人の暮らしを取材する「レシート、拝見」を連載していた。選り抜きのエピソードと、書き下ろしの新規取材・エッセイを加えた『レシート探訪 1枚にみる小さな生活史』(技術評論社)が、2023年6月23日に発売された。
普段の買い物のレシート、お気に入りの店のレシート、捨てられないあの日のレシート。小さな紙切れ1枚から、その人の人生が見えてくる。
「スーパーマーケットに送るラブレター」に登場するインテリアスタイリスト・矢口紀子さんのレシートは、タイトルそのまま、大好きなスーパーのもの。自宅から徒歩1分という近さで、ちょうどツボをつくような品がぎゅっと集まっているのだそうだ。ポイント10倍の日曜日には、ストックしたいものを買って1万円近くなることも。
「はまさき 999円」という謎の明細は、お気に入りのみかんとのこと。1個100円台の高級みかんで、ちょっとした贅沢にしているそう。他にも何枚ものレシートを見ながら、「これはね」と楽しげに話す矢口さん。「好き」が詰まったレシートはまるでラブレターのようだ。
本書には25人のインタビューと、藤沢さん自身のレシートにまつわるエッセイを収録している。あなたの財布に残っているレシートは、何を語るだろうか。
■目次
はじめに
レシートからのぞいた「食卓」
レシートから伝わる「家族」
レシートから気付いた「好き」
レシートで考えた「仕事」
レシートからみえた「未来」
おわりに
■藤沢あかりさんプロフィール
ふじさわ・あかり/編集者・ライター。大阪府堺市出身、東京都在住。雑貨や文具の商品企画、出版社でのインテリア誌編集などを経て2012年独立。雑誌やweb、書籍を中心に、住まいや子育て、仕事、生き方など幅広い記事を手がける。モットーは「わかりやすい言葉で、わたしにしか書けない視点を伝えること」。
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