昭和・高度経済成長期の象徴とされる「団地」。当時まだ珍しかったダイニングキッチンや水洗トイレなど最先端の住宅設備を備える「憧れの住まい」だったのも今は昔。建設から40~50年が経過した最近ではむしろ、建物の老朽化や住民の高齢化が進む「社会問題の現場」として知られている。
ところが令和の今、その「団地」が、現在進行形で「オシャレ」なものとしてSNSで注目を集めているという。いったいどういうことなのか。
2023年5月29日に発売されたムック『団地・古いマンションの素敵な暮らしとインテリア』(宝島社)では、人気沸騰中の団地の魅力が実例付きで詳しく紹介されている。
今になって団地が注目されるようになった理由は、その「古さ」や「狭さ」にある。
いま若い世代の一部では、「古くからあるものに愛着を持って大切にしたい」という価値観が広がっているという。その視点から見ると、築年数を重ねた団地やマンションはまるで宝の山。和室や梁、レトロな扉など、新築住宅にはない「温かみ」が支持されているようだ。
また、不況が続き、共働き世帯が増えた現代日本では、「家賃がおさえられる」「コンパクトで掃除がラク」という団地のメリットが、かつてよりも魅力的に映るようになった。家賃をおさえて都内に住み、自分のスタイルに合わせた住空間を作り上げることができる魅力的な物件としても評価されている。
それだけではない。実は近年、多くの団地がリノベーションで生まれ変わっている。地域ぐるみで団地再生プロジェクトに取り組み、団地内に図書館を作ったり、複数の店舗や個人が料理を提供できるシェアキッチンを作ったり。住まいとしての用途に留まらず、人々が集う場として進化を遂げ、団地そのものの魅力も底上げされているのだ。
さらに、照明をペンダントライトに替えたり、扉やふすまを外せるだけ外して広々とした開放的な部屋を作ったり、ニトリや無印のグッズを使ってデッドスペース無しで空間を活用したりと、団地住まいを楽しむための新しい工夫も広がっているという。Instagramでは「#団地暮らし」の投稿が15万件を超える人気となっている。
本書は、団地・古いマンションでセンスよく素敵に暮らしている人の空間づくりのコツや間取りから、築年数、面積、家族構成、家賃までを具体的に紹介。家の広さや新しさ、さらには高いコストも不要な、誰もがまねできる「新しい団地暮らし」のヒントが見つかる1冊となっている。
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