6月4日~10日は、厚生労働省や日本歯科医師会などが実施している「歯と口の健康週間」。この機会に、普段の歯磨きの方法を見直してみるのはどうだろう。
本書、『認知症になりたくなければ歯周病を治しなさい』(あさ出版)は、全国から1万人の患者が訪れる「福田デンタルクリニック」の院長が、認知症やアルツハイマー病と「歯周病」との関係をわかりやすく解説した1冊。最新の研究をもとに、発症の原因や予防するためのオーラルケア、生活習慣の改善まで幅広く押さえている。
認知症などのリスクを上げる原因にもなるという、歯周病。予防するために最も重要なのは、やはり歯磨きだ。
第5章では、「歯周病を予防&改善する プロが教える正しい歯磨き方法」として、著者の福田さんが実際に患者にアドバイスしている歯磨きのやり方が紹介されている。
まずは、歯ブラシの前に歯間ブラシとデンタルフロスを使って歯の汚れをある程度取り除く。そして最後に歯ブラシで磨き上げるという順番だ。歯周病のリスクが高い部分の汚れを取り除いた後に歯ブラシを使うほうが、よりきれいになるのだという。
毎回、歯間ブラシなどを使うのは面倒に感じるが、福田さんによれば「歯間ブラシとデンタルフロスは1日1回程度を目安に」使うことが推奨されるそうだ。
「私の場合は、朝はデンタルフロスと歯ブラシ、お昼は歯ブラシのみ、夜は歯間ブラシと歯ブラシを使うようにしています」
なお、意外にも歯磨き粉を使う必要はないとのこと。
「歯磨き粉を使うと唾液を何度も吐かないといけなくなり、歯磨きに集中しづらくなるからです」
さらに、歯磨きとあわせて推奨されているのが歯茎のマッサージだ。
本書によると、口のなかには、末梢神経が集中している「反射区」がある。歯茎マッサージによってそれを刺激することで、体のさまざまな部分の働きを活性化でき、歯茎の血行リンパの流れも活性化されるため歯周病予防につながるのだという。
人差し指で円を描くように、やさしく歯茎を押していくのがポイントだ。歯茎の表側から、次の順番で行う。
左下奥歯→舌の前歯→右下奥歯→右上奥歯→上の前歯→左上奥歯
これで歯茎の表側を1周マッサージできる。同じ要領で裏側も行おう。マッサージ中は、爪などが当たって歯茎を傷つけないよう注意するべきとのこと。 さらに、唾液腺もマッサージすることでドライマウスを改善できるという。唾液の分泌量が減って口が乾くと歯周病になりやすいため、唾液の分泌を促す唾液腺マッサージ法が有効なのだそう。
本書で紹介しているのは、「耳下腺」「顎下腺」「舌下腺」という、主に唾液が分泌される3つのポイントを順に刺激するやり方だ。
まず、耳下腺の付近を、後ろから前に向かってぐるぐる円を描くように10 回ほどマッサージする。
次に、顎下腺の付近5個所ぐらいを5回ずつ親指で押す。
最後に、舌下腺の付近を親指で下から5〜10回ほどグッと押す。
さらに、このマッサージと並行して「ガムを噛む」「歯磨きをする/うがいをする」「少量のレモン汁や梅酢を入れた水を飲む」など、日常生活のちょっとした工夫でも唾液の分泌を増やすことができるとのこと。
日常のちょっとしたスキマ時間にこれらを意識して唾液の分泌を促し、歯周病の原因にもなりうるドライマウスを予防しよう。
■福田真一さんプロフィール
ふくだ・しんいち/福田デンタルクリニック院長、医学博士。1959年、兵庫県神戸市生まれ。93年、「福田デンタルクリニック」(大阪府大阪市)を開院。口腔医療と全身疾患の関係を研究した「トータルヘルスケア・コーチング(福田式11箇条)」を取り入れ、患者に提案。スタッフ全員に食養指導士の資格保有を義務付け、食養について専門的なアドバイスを行っている。2011年には医療者が必ず直面する「命」の問題に向き合うために、一般財団法人大阪国学院にて神職資格を取得。2023年現在、「福田デンタルクリニック」は紹介患者99%、リピート率98%、全国から1万人の患者が訪れる大人気のクリニックに。
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