料理の味を決める要とも言える、だし。かつおだしや昆布だしなど、活躍するのは和食というイメージがあるかもしれないが、実は洋食に合う「洋風だし」も存在するのだ。
『ちょっとていねい、すごくおいしい 洋風だしレシピ』(あさ出版)は、有名イタリアンレストラン「イルマーレ」の依田隆オーナーシェフがいつも使用している「洋風黄金だし」のレシピを初公開した1冊。
冷蔵庫にあるいつもの食材が絶品料理に生まれ変わるという、秘伝の「洋風黄金だし」の作り方を始め、その活用法や保存法、そして2つのだしを活用した44ものレシピを紹介する。
パスタのゆで方や失敗しないリゾットの作り方、野菜の切り方など、依田シェフ直伝の調理テクニックまで学べる、盛りだくさんの内容だ。
今回は、本書に掲載されている「黄金洋風茶碗蒸し」のレシピを紹介する。
「依田流 黄金洋風茶碗蒸し」は、卵と秘伝のあさりだし、そして白ワインで溶かしたバターを使った、なめらかな舌触りの一品。だしの旨みがじっくり味わえる茶碗蒸しだ。
◎材料(4個分)
あさりだし................................. 150mℓ
たまご............................................. 1個
白ワイン.................................... 20mℓ
バター.......................................... 10g
塩.................................... ひとつまみ
蟹の身.................. 32g(1個につき8g程度)
*蟹の身は缶詰でもよい。その際は塩の分量を調整して。
いくら(醤油漬け)......12g(1個につき3g程度)
◎つくり方
1 ボウルにたまごを割り入れ、溶きほぐしたら【あさりだし】と塩を加えて混ぜる。
2 フライパンにバターと白ワインを入れて熱して、溶かしバターをつくり、1と合わせてよく混ぜる。
3 2をザルでこし、器に注ぎ入れる。
4 蒸し器で、2~4分蒸し、蟹の身といくらをトッピングする。
◎ポイント
1 【あさりだし】はゆっくりすこしずつ注ぎながら、たまごと混ぜる。
3 卵液の中に泡があると、蒸しあがるときに「す」が立つ原因に。ザルで静かにこして、ひとつの泡もないように。
4 なめらかな口当たりにするため、蒸し時間は2~4分と短め。【あさりだし】は、一般的なだしの取り方でも作れるが、より旨みが出るプロのコツについては、本書を参照してほしい。
本書では、黄金洋風茶碗蒸しに使用するあさりだしはもちろん、鶏だしやあわせだしの取り方、それらを生かしたレシピも掲載されている。茶碗蒸しのような和食にも応用できる、有名イタリアンレストランの「洋風だし」。おうちご飯のバリエーションを広げる強い味方になってくれるだろう。
本書の目次は、以下の通り。
・洋風だしの世界へようこそ!
・依田シェフ直伝 鶏だしとあさりだし
・あさりだしをとる
・鶏だしをとる
・洋風だしのおつまみ
・洋風だしのごちそう
・洋風だしのスープ
・洋風だしのパスタ
・洋風だしのリゾット
※columnおいしさのコツ
■依田隆さんプロフィール
よだ・たかし/イタリアンレストラン「イルマーレ」オーナーシェフ。1970年、埼玉県生まれ。海のない県で育ちながらも現在は「魚介類しか出さないレストラン」のオーナーシェフを務める。26歳で料理の道に入り、国内で修業ののちイタリアへ。帰国後、イタリア料理店で研鑽を積み、神奈川県小田原市に移住。2006年、小田原・早川漁港(小田原漁港)の目の前に自身のレストラン「イルマーレ」をオープンした。小田原ならではの魚介類と野菜をいかしたオリジナリティあふれる料理を提案している。昨今はJR東日本が運行する周遊型寝台列車「TRAIN SUITE四季島」の料理人としても活躍。『凄腕シェフが伝えたい月イチレシピ』(説話社)『シェフの家呑みおつまみ』(秀和システム)など著書多数。
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