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瀬戸内寂聴の晩年に密着した記者が、99年の生涯をたどる

生誕100年 瀬戸内寂聴物語

 2021年、100歳まであと半年余りで亡くなった作家・僧侶の瀬戸内寂聴さん。出身地の徳島新聞で、2022年に連載された記事をまとめた1冊『生誕100年 瀬戸内寂聴物語』(徳島新聞社)が発売された。


 記事の執筆を担当したのは、晩年の寂聴さんに番記者として密着した、柏木康浩さん。ロングインタビューや取材時のエピソードが盛り込まれ、生前の素顔がうかがえる内容だ。

 本書では、作品を取り上げて作家としての業績を紹介するほか、夫と娘を置いて出奔したときの思いや、51歳で突然出家を選んだ理由を詳しく追っている。また出家後、湾岸戦争時には反戦を訴え、東日本大震災時にはいち早く被災地に駆けつけるなど、積極的におこなった社会活動も記している。作家と僧侶、両方の面で、晩年までエネルギッシュに活動した軌跡をたどる。

 後半には、晩年の寂聴さんと最も親しかった作家の一人、平野啓一郎さんとのインタビューを収録。「まえがき」は、寂聴さんにデビューを後押しされたという、太宰治の娘で作家の太田治子さん。「あとがき」は、寂聴さんの小説『美は乱調にあり』をコミカライズした、徳島市出身のマンガ家・柴門ふみさんが寄稿している。

 貴重な幼少時や女学校時代の写真、見合い写真なども掲載。また法話中の笑顔、ビールを片手にくつろぐ姿、反戦を訴えて寂庵で断食する姿なども写真に収められている。

 本書は、徳島新聞公式オンラインストアから購入できる。


※画像提供:徳島新聞社


  • 書名 生誕100年 瀬戸内寂聴物語
  • 監修・編集・著者名柏木 康浩 著
  • 出版社名徳島新聞社
  • 出版年月日2023年4月29日
  • 定価1,430円(税込)
  • 判型・ページ数B6判・224ページ

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