本棚をうめつくす、分厚い本の山。ページをひらくと文字がぎっしり...そんな「文学全集」の概念が、がらりと変わる革命が起きた。
11月22日に発売された『小学館世界 J 文学館』(小学館)は、世界の名作125作品を収録する超本格的な文学全集。それなのに、手にする本はたった1冊だけ。いったいどういうこと?
購入して手に入る『J文学館』では、見開き2ページで1冊の世界名作が、イラスト・写真をたっぷり入れて紹介されている。ページをめくっていて、「あ、これおもしろそう」と思ったら、自分のスマートフォンやタブレットで、左下のQRコードをスキャン。すると、画面に名作の表紙が出現!
つまり『小学館世界 J 文学館』は、「紙の本で名作を選び、電子書籍で本文を読む」というしくみの全集なのだ。
紙の本は1冊だけなので、収納スペースは極小。電子書籍はスマホでもタブレットでもパソコンでも好きなデバイスで読めるので、外出先や移動中の読書もかんたん。身近に、気軽に、世界名作を楽しめる。
「J 文学館」のJは、児童、ジュニア、そして次世代を意味している。「児童向け世界文学全集」でも、収録作品はおとなも真剣に楽しめる名作が満載。「赤毛のアン」「宝島」のようなクラシックな児童文学のほか、『シェイクスピア物語』『三銃士』のような一般向け文学作品、そして日本で初めて訳される「知られざる名作」も。
編集委員は、児童文学作家・角野栄子さん、小説家・浅田次郎さん、JBBY(日本国際児童図書評議会)会長・さくまゆみこさん、英語圏のエキスパート翻訳者・金原瑞人さん、ロシア・スラヴ圏の研究者にして翻訳者・沼野充義さんの5名。大の読書家である編集委員のセレクションで、これまで「児童文学全集」の枠組みに入らなかった作品も選ばれている。
『何かが道をやってくる』
SF/ファンタジーの巨匠、レイ・ブラッドベリのダーク・ファンタジーが、半世紀ぶりの新訳で登場! 少年たちの闇夜の冒険が、新たな衣装をまとってよみがえります!
『スノーフレークの話』
これまで「雪のひとひら」という邦題で知られていたポール・ギャリコの傑作中編を新訳。現代的な価値観も加味され、新鮮な感動に包まれます!
『アフリカン・マジック!』
ノーベル平和賞受賞者、ネルソン・マンデラさんが選んだ、南アフリカとアフリカ各国の昔話・物語アンソロジー。アフリカの子どもたちに自分たちの文化を誇りに思ってほしいというマンデラさんの思いがこもった、インパクトのある傑作ぞろいです!
125の収録作品の中には、本邦初訳作品が24冊ある。
たとえば、『白クマのフラム』。ルーマニアでは誰でも知っている児童文学で、主人公はホッキョクグマのフラム。捕獲されて今はサーカスの人気ものだが、北極が恋しくてたまらなくなる。そんなフラムに同情する人々の善意が集まって、北極に戻れることに。しかし、人間たちの間で長い間暮らしていたフラムは、北極に戻ってやっていけるのだろうか......。楽しく読めるけれども深い内容の名作だ。
ほかにも魅力的な作品がぎっしり。この1冊を机の上に置いておけば、いろいろなきっかけから読書がスタート! 本好きのお子さんはもちろん、読書があまり得意ではないお子さんにも手に取ってほしい。
なお、初回封入特典として、美しいイラストで多くのファンを引きつけている酒井駒子さんの複製原画アートカードがついてくる。なくなり次第終了になるので、ぜひ早めにチェックして。
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