北欧好きの方なら「ヒュッゲ(Hygge)」というワードを一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。デンマーク語で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」を指す言葉で、北欧の人々の価値観やライフスタイルにも深く関わっている。
そんな北欧スタイルに興味のある方ならきっと気になるであろうワードが「ヘイマ(Heima)」だ。
Heima(ヘイマ)とはアイスランドの言葉で、Home(ホーム)の語源となった「故郷」「自分が存在する場所」という意味があるそうだ。そのHeimaの精神を暮らしに取り入れたスタイリングを実践しているのが、インテリアスタイリスト、石井佳苗さんだ。
10月31日、石井さんがその基本の考え方とノウハウを詰め込んだ著書『Heima 住まいの感覚を磨く9つのキーワード。』(扶桑社)が発売された。
本書では、石井さんが伝えたい「住まいの感覚」を磨く9つのキーワードを224ページにわたるボリュームで紹介している。
【目次】
Introduction
9 Keys in Daily Life
日々の感覚を磨く9つのキーワード。
PART1 Judge 察する
住まいづくりは自分を知ることから始まる。
今日の自分を知る時間。自分と向き合いインテリアを変えていく。「窓から緑」は必須条件。住まいの中心は変わる。欲しい機能は変わる。「足りない」を知る、つくる。
PART2 Idea あそぶ
インテリアは"ミックス"であそぶ。
素材、年代、デザインミックスでバランスをとる。季節の変化に合わせて布使いやアートであそぶ。
PART3 Blance ととのえる
いい「間」のある空間は心地よい。
「少しずらす」が絵になるバランス。「間」を取る飾り方。ゆるく仕切り、調和させる。今の暮らしに床の間を。暮らしになじむ畳の間の活かし方。
Column インテリア×風水
李家幽竹さんに教えてもらう。良い気が循環する家の考え方。
PART4 Gradate うつろう
豊かな時間をつくる"光"と"あかり"。
光の通る空間づくり。気分と部屋の雰囲気を左右する、照明器具選び。場所に合わせた照明の考え方。奥行きのある時間と空間をつくる照明計画。
PART5 Hold 捉える
大きさ、量、形を捉えて、美しく、楽しく、使いやすく。
「整う」と「飾る」のほどよいバランスを。美しい収納アイデア。
PART6 Enjoy 享受する
自然の恵みに感謝し、味わい、楽しむ。
おいしい場所は楽しく。クリエイティブな道具たち。
PART7 Relax ほどく
心をほどく肌触り。
感情を左右するファブリックの力。多種多様なインテリアファブリック。
Column インテリア探求
オールドトライバルラグを知る。
PART8 Spring ときめく
多様な価値観に出合い、「好き」の感覚を磨く。
台湾とタイで出合った10軒の暮らし。
PART9 Breathe 呼吸する
心を整えるものとの暮らし。
自分にとっての必要とは?
Special Talk
津田晴美さん 自分に戻る家づくり。
あの人の"Heima"
土器典美さん、南雲浩二郎さん、谷尻誠さん、大熊健郎さん、甘露寺芳子さん、織田憲嗣さん
石井さんは、心地良い暮らしを実現するためには、まずは自分自身を知ることから始まるという。家具、香り、ラグ、照明、アートといった一つひとつのアイテムも、自分軸で選ぶことによって住まいの感覚が磨かれていく。そのために「察する、あそぶ、ととのえる、うつろう、捉える、享受する、ほどく、ときめく、呼吸する」の9つの感覚を大切に、自分が存在するのにふさわしい場所を作り上げていく。
Heima(ヘイマ)とは、「故郷」「自分が存在する場所」という意味を表すアイスランドの言葉です。 Home(ホーム)の語源になったといわれています。
「住まい」とは「自分」。
自分を心地よくすることが、住まいを心地よくする。
見て、聞いて、かいで、触って、味わって。
日々の暮らしの中で「心地よい」と思う感覚に気づいてください。
その感覚が磨かれるような空間はかけがえのない、あなたの帰る場所になるはずです。
石井佳苗
ヒュッゲもヘイマも、根っこに共通した精神を感じる。自分にとっての心地よさとは何かを見極める「軸」を示唆してくれる一冊。
■石井佳苗さんプロフィール
いしい・かなえ/インテリアスタイリスト。東京都生まれ。株式会社カッシーナ・イクスシーに10年間勤務の後インテリアスタイリストとして独立。インテリアのほか、衣食住のライフスタイル提案を中心に、暮らしまわりのスタリングを手がける。主に、雑誌、広告のインテリアスタイリング、住宅メーカーのモデルルームやカタログ、VMD講師等多岐にわたる。著書に『Love Customizer』『Love Customizer 2』(ともにエクスナレッジ)など多数。
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